【石垣】陸生のカニ、オカガニが産卵シーズンを迎えている。旧暦5月16日に当たる6月21日夜、石垣市大浜の海岸では満月の月明かりの下、オカガニが波打ち際で卵を海に放つ神秘的な光景が観察された。
同日午後8時過ぎ、草陰から甲幅が10センチほどのオカガニ1匹が現れ、ゆっくりと波打ち際へ。打ち寄せる波に合わせ、体を震わせて海に卵を放った。中には放卵がうまくいかず、波にさらわれるカニも。十数秒で産卵を終えたカニが茂みに帰っていく姿もあった。
オカガニはアダンやテリハボクなどが茂る海岸林の根元に穴を掘って生息。旧暦の5、6月の満月の夜、腹部に卵を抱えたメスが放卵することで知られる。海に放たれた卵はふ化後、幼生から稚ガニになって陸に戻ってくる。(南風原英和通信員)