「採算悪くコロナ禍が追い打ちかけた」 鎌ケ谷観光バス、9月末で路線バス事業撤退へ 人手不足も

千葉県内で路線バスの減便が相次ぐ中、鎌ケ谷市や白井市などでバスを運行する「鎌ケ谷観光バス」が今年9月末で路線バス事業から撤退する方針を固めたことが、同社への取材でわかった。同社は観光バスや送迎バス事業に注力し、経営改善を図る方針で、周辺自治体と協議を重ねている。
同社は、北総鉄道の高額運賃により代替交通を求める地域住民の要望を受け、2014年から鎌ケ谷市の新鎌ケ谷駅と印西市の千葉ニュータウン中央駅を結ぶルートなど「生活バスちばにう」の運行を開始。当初は北総鉄道の両駅間にある各駅を通る直行便を1時間に1本運行していたが、昨年1月には1路線に絞り1日26本の運行となった。6月には1日2本と運行本数を減らしていた。
撤退理由について同社は「市民の足を守る意識で運行を続けてきたが、もともと路線バス事業の採算は悪く、そこにコロナ禍が追い打ちをかけた。車両の老朽化や人手不足も重なった」と説明している。同社が運行の一部を担う鎌ケ谷市のコミュニティバス「ききょう号」は運行を継続する。

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