「仁義なき戦い」の号砲か…6代目山口組が「伝説のヒットマン」に対して“返し”の動き

たった1人のヒットマンに立て続けに身内のタマを取られ、「6代目山口組」の高山清司若頭(76)のはらわたは煮えくり返っているのだろう。ついに山口組が「返し」の動きをみせた。
敵対する「絆会」の組員を襲撃する目的で事務所周辺をうろついたとして、特定抗争指定暴力団山口組の中核組織「弘道会」傘下の「竹内組」(長野県松本市)幹部の羽田力(45)と無職の佐藤淑晴(58)両容疑者が10日、暴力団対策法違反容疑で大阪府警捜査4課に逮捕された。「うろつき容疑」での逮捕は全国初。暴対法は、特定抗争指定暴力団の組員が「警戒区域」内にある対立組織の組事務所付近をうろつくことを禁止している。
2人は今月9日夜、大阪市中央区にある事務所の前を車でゆっくり走りながら、内部をのぞき込んでいた。翌10日の午前9時過ぎには車から降りて物陰に立ち、周囲の様子をうかがうなどしていたことから、捜査員が事情を聴き、逮捕した。
「こいつらが大阪入りしてるいう情報は、前からつかんどった。本人らは監視されていることを知らんかったようや。凶器は見つかっていないため、単なる偵察部隊やったんか、それとも『いける』思うたら仲間に武器を持ってこさせるつもりやったんかもしれん。わざわざ大阪まで来たいうことは、何らかのアクションを起こすつもりやったんやろう」(捜査事情通)
調べに対し、「襲撃のために近づいた」という趣旨の供述をしているという。
■「いかにも弘道会らしいやり方」
羽田容疑者が所属する竹内組は、山口組幹部2人を射殺し、「伝説のヒットマン」と呼ばれる絆会ナンバー2の金澤成樹(本名・金成行)被告(56)が、2017年まで組長を務めていた。羽田容疑者は金澤被告の子分として長年にわたり、弘道会系組織と徹底抗戦を繰り広げていた。16年には長野市に向かう弘道会系の組員を迎撃するため、中央自動車道に車数台を止めて封鎖して通行を妨害。長野県の傘下の組を解散に追い込んだこともあった。
「金澤は巨大組織相手にがっぷり四つで一歩も引かなかった。しかし、20年8月に金澤が上部組織の絆会の若頭に就任すると、竹内組を継いだ宮下聡組長は絆会から脱退し、組ごと敵対する弘道会の傘下に入った。これに激怒した金澤は翌9月、宮下に絆会に戻るように説得したが、拒否されたため、拳銃で腹を撃ち、重傷を負わせた。命を取らなかったのは、武士の情けでしょう」(暴力団に詳しい関係者)
金澤被告はその後、弘道会の直参(直系組長)を含む山口組系幹部2人を射殺。一方、宮下元竹内組組長は弘道会幹部に昇格し、羽田容疑者は宮下元組長の右腕となった。
「弘道会側にしてみれば、ヘタに動いたら殺人教唆や組織的犯罪で一網打尽にされかねない。とはいえ、1人のヒットマンに幹部を3人やられて黙っているわけがない。メンツ丸つぶれやからな。返しに元絆会の金澤の子分を差し向けるあたり、いかにも弘道会らしいやり方やな。元仲間なわけやから。警備体制や相手の人数次第では、本気で襲撃するつもりやったんやろ」(前出の捜査事情通)
「仁義なき戦い」が始まるのか。

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