佐原の大祭開幕 夏を彩る山車10台巡行、小江戸に活気あふれ 13日には年番引き継ぎ行事

“北総の小江戸”と呼ばれる香取市佐原地区の夏の風物詩「佐原の大祭夏祭り(八坂神社祇園祭)」が12日開幕し、歴史的建造物が立ち並ぶ佐原の町並みに活気あふれる声が響いた。13日夕には3年に1度の年番引き継ぎ行事が行われる。
夏と秋の2回行われる佐原の大祭。夏は市中心部を流れる小野川の東側に位置する「本宿地区」町内の山車10台が巡行する。八日市場区は山車の上に載せる飾り物「鯉(こい)」を住民が協力して約2カ月間、作業に取り組み、5年ぶりに新調した。
初日は時折雨が降る中、山車が巡行。山車行事を取り仕切る「山車年番」の荒久区では午前9時ごろ、佐原囃子の「砂切(さんぎり)」が奏でられ山車が出発。近隣の佐原グレイスこども園の子どもたちも加わり「いーち、にーの」とタイミングを合わせながら「わっしょい、わっしょい」と元気に綱を引いた。
山村会館前交差点では、午前中に八日市場と浜宿の2区がおはやしに合わせ手踊りを披露。さらに「の」の字を描くように山車を回転させる「のの字廻(まわ)し」も行われ、観客を楽しませた。午後6時ごろにも大和商会前交差点に参加町内の山車を集め、順番にのの字廻しを実施した。
3年前の年番引き継ぎ行事は、新型コロナの影響で祭りが中止となり、引き継ぎ行事のみ縮小開催。今年は13日午後5時50分から香取街道で行われる。2022年に3年ぶり再開した大祭から山車年番を務めた荒久区の保科安伸区長(66)は「コロナで大変なこともあったが、祭りのある生活が戻ってよかった。この3日間は事故なく楽しく過ごしたい」と話した。
祭り期間中、市中心部は交通規制が行われるため、利根川河川敷に臨時駐車場を用意し、駐車場から祭り区域までシャトルバスやシャトル舟を運行している。

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