9回4点差逆転サヨナラ 千葉明徳 うれし涙のナイン「明日も同じ仲間と野球できる」 第106回全国高校野球 千葉大会 第4日

▽2回戦(県総合SC)
銚子商
000050021―8
112000005x―9
千葉明徳
「失点して申し訳ない気持ちと、仲間との3年間を思い出した」。九回裏、千葉明徳の先発尼形知樹はベンチで涙を浮かべていた。点差は4点。「もしかしたら」。思わず負けも頭をかすめたが、「やってくれる」と信じた仲間たちが8人で猛攻。丸山晃生の中犠飛で劇的サヨナラ勝利が決まると、ナインは一斉にベンチから飛び出し、うれし涙を流した。
背番号10の左腕。四回まではテンポ良くスライダーと真っすぐで緩急を使い分け、毎回を三者凡退に仕留めるキレっぷりだった。崩れたのは4-0の五回。試合開始から降り続いた雨が強まって足元が滑り、本来の投球ができなくなった。先頭は中飛に打ち取ったが、4四死球と暴投でまさかの3点を献上。2番打者にダメ押しの勝ち越し2点適時打を放たれた。
それでも心は折れなかった。秋、春大会は追い込まれた状況で野手を頼らずにプレーし敗退。この夏はつらい時こそ視野を広げると決めていた。周りに目を向けると「大丈夫、大丈夫」「お前ならできる」と励ましてくれる仲間たち。「すごい自信になって、もう一回しっかりやろうと切り替えた」。次第に制球が定まり、八回まで腕を振り続けた。
勝利が決まった瞬間の感情は「明日も同じ仲間と野球ができてうれしい」。みんなでつないだ夏の目標は「千葉で一番になって、甲子園に行く」。りりしく宣言した。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする