「孫休暇」 愛知 一宮市で7月から導入 祖父母が孫の育児のために取得可能 1歳になるまで最大7日間

父親が「育休」を取得することも広がりつつある中、東海地方でも「祖父母」が孫の育児のために「孫休暇」を取得する制度をスタートさせた自治体があります。
三重県の中村江里子さん59歳。ことし3月に2人目の孫の陽綺(はるき)くんが生まれた「おばあちゃん」です。
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中村さんは桑名市役所市民環境部の「部長」。これまで市役所職員として約40年間働いてきましたが、ことし4月にはじめて取得した「休暇」があります。(桑名市 市民環境部 中村江里子部長 59歳)「“孫休暇”を取得した」
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桑名市役所は、東海3県で初めてとなる「孫休暇」をことし1月から導入。子どもの看病など世話をするための特別休暇は、今までは「父母」が対象でしたが、それを「祖父母」まで拡大し、職員は中学校に入学するまでの孫の世話のために1年に最大5日の休暇を取得できるようになりました。
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中村さんがことし4月、娘の汐里さんからのSOSを受けて孫の陽綺くんのために「孫休暇」を取得したわけは…(桑名市 市民環境部 中村江里子部長 59歳)「1か月検診があった。娘も検診を受けなければならないので『付き添いがいる』ということで、孫の検診が終わった後、娘の検診中は面倒をみていた」
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娘の汐里さんも助けられたといいます。(娘・汐里さん)「ものすごくありがたかった。『有休使って』とお願いするのと『孫休暇使って』とお願いするのでは、(孫休暇は)お願いしやすい休暇」
桑名市役所では「孫休暇」導入から、半年ほどが経過した6月末までに9人が取得しました。
さらに愛知県で「孫休暇」の制度を導入しているのは…(一宮市人事課 恒川仰一主査)「定年が段階的に65歳まで延長されるので、孫がいる職員が増加することを見据えて、孫の育児に参加していただき仕事との両立を支援するということで導入した」
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一宮市役所では7月から、県内初の「孫休暇」を導入。1歳になるまでの孫1人に対し、最大7日まで休暇を取得できるようになりました。導入について一宮市民は…(市民)「いいと思う。子育て世代の負担が減る」「うちもおばあちゃんに孫をみてもらっているのでいい制度」「『孫休暇』という言葉が今までなかったので大きな1歩だと思う」
制度導入から一週間あまり。早速、取得した職員が…(一宮市 総合政策部 村上明部長 58歳)「双子の孫がいて、1人が病院に行かないといけなくて、もう1人を誰かが面倒をみないといけなくて、娘に頼まれて休みを取った」
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一宮市役所 総合政策部の部長・村上明さんは、去年7月に双子の孫が誕生。7月3日。「孫休暇」を1日取得して、妻と一緒に離乳食を食べさせたり、おむつ替えをしたり。久しぶりの体験をすることとなった村上さんは…(一宮市 総合政策部 村上明部長 58歳)「おじいちゃんだと2回目で余裕ができてくるし、僕ら世代が育児に参加するのを見せると、若手世代が『育児に関する休みをとっていいんだ』と取得しやすくなればいいと思う」
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桑名市役所で取得した中村さんも「孫休暇」の必要性を話します。(桑名市 市民環境部 中村江里子部長 59歳)「とても便利だと感じた。いろんな自治体、業種、民間でも制度が広まるといい」
桑名市と一宮市のほかに、全国の自治体で「孫休暇」を導入しているのは、宮城県、神奈川県、福島県郡山市、茨城県那珂市、岡山市です(ことし4月時点)。
まずは自治体職員が身をもって体験し、制度の良さ・改善点などをフィードバックしてもらうことで、これからさらに子育てへのサポート体制が手厚くなることを願ってやみません。
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