社会福祉士の年収は高い?平均年収から見える現状と課題を解説

現役社会福祉士の方やこれから目指す方にとって、社会福祉士の年収については気になるところでしょう。まずは、平均年収と中央値から見ていきます。
厚生労働省が公表している「令和2年度社会福祉士就労状況調査」によると、社会福祉士の平均年収は403万円となっています。これは全産業の平均年収(約436万円)と比べるとやや低めですが、福祉業界の中では比較的高い水準にあります。社会福祉士の年収は高い?平均年収から見える現状と課題を解説の画像はこちら >>
ただし、これらの数字はあくまで平均値であり、個人の経験や勤務先、地域などによって大きく異なる点に注意が必要です。
年代や勤続年数によっても年収は変化します。一般的な傾向として、年齢や経験を重ねるにつれて年収も上昇していきます。
年代別の平均年収を見てみると、以下のようになります。

社会福祉士の平均年収(性別・年代別)
経験年数別に見ると、おおよそ以下のような推移が見られます。
これらの数字から、社会福祉士としてのキャリアを積み重ねることで、着実に年収が上昇していく傾向が見て取れます。ただし、単純に年数を重ねるだけでなく、スキルアップや専門性の向上も重要な要素となります。
社会福祉士の年収は、勤務先によっても大きく異なります。主な勤務先別の平均年収を見てみましょう。

社会福祉士の平均年収(勤務先別)
実際の年収は、個人の経験や能力、勤務地域などによって変動しますが、一般的に、行政機関や司法関係での勤務が比較的高収入となる傾向があります。
一方で、小規模な福祉施設やNPO法人では、給与面では若干低めになることが多いですが、やりがいや社会貢献度の高さが魅力となっています。
社会福祉士として高収入を目指すなら、以下のような職場や業務内容が注目されています。
保護観察所・地方更生保護委員会:平均年収は638万円と、社会福祉士の中でもトップクラスです。犯罪や非行をした人の更生支援や社会復帰のサポートを行います。高度な専門性と責任が求められる一方で、社会的意義の大きい仕事として評価されています。
児童相談所:平均年収は532万円程度です。児童虐待や非行、障害など、子どもに関するさまざまな問題に対応します。緊急性の高い案件も多い職場ですが、子どもの人生に直接関わる重要な仕事として、やりがいも大きいです。
都道府県庁:平均年収は496万円と、社会福祉士の中でも比較的高い水準にあります。福祉政策の立案や実施、各種福祉サービスの管理・監督などを担当します。公務員としての安定性に加え、地域全体の福祉向上に貢献できる点が魅力です。昇進に伴い、年収700万円以上も十分に見込めるでしょう。
社会福祉協議会:都道府県社会福祉協議会は475万円、市区町村社会福祉協議会は447万円が平均となっています。経験を積むことでさらなる収入アップも視野に入るでしょう。地域福祉の中核的な組織として、ボランティアの育成や地域ネットワークの構築、各種福祉サービスの提供などを行います。地域に密着した活動ができ、やりがいも大きいです。
これらの職場は、いずれも高度な専門性や豊富な経験が求められます。単に高収入を目指すだけでなく、自身の適性や興味、キャリアプランとよく照らし合わせて選択することが大切です。
社会福祉士として年収を上げる最も一般的な方法の一つが、役職や管理職への昇進です。組織内でより責任ある立場に就くことで、基本給の上昇や各種手当の追加が期待できます。
組織によって異なりますが、年次を重ねていき、主任・チームリーダー、課長、部長と昇進していくことで600~700万円程度は期待できるでしょう。
なお、管理職への昇進には、以下のようなスキルや資質が求められます。
これらのスキルを意識的に磨いていくことが、昇進への近道となります。また、組織内の研修や外部セミナーへの参加、MBA(経営学修士)の取得なども、キャリアアップに有効です。
ただし、管理職になることで直接的な支援業務から離れることになるため、自身のキャリアプランや価値観とよく照らし合わせて判断することが大切です。
社会福祉士としての年収アップを目指すなら、専門性の向上と追加の資格取得が効果的です。高度な専門知識やスキルを持つことで、より責任ある業務を任されたり、専門職としての評価が上がったりすることで、収入増につながる可能性があります。
以下に、社会福祉士が取得を検討すべき追加資格とその効果を紹介します。
これらの資格取得に加えて、障がい者支援の専門知識や児童福祉や家族支援のスキル、高齢者ケアや認知症ケアの技術などを身に付けることも重要です。
専門性を高めることで、特定の分野でのエキスパートとして認められ、より高い報酬を得られる可能性が高まります。また、講師や執筆活動などの副業にもつながりやすくなります。

専門性を高めることで副業に繋がることも
社会福祉士として経験を積んだ後、独立開業を選択する人も増えています。独立することで、より高い収入を得られる可能性がある一方で、リスクや責任も大きくなります。
【独立開業の形態と特徴】
独立開業後の平均年収は高い水準となる傾向にありますが、課題も存在します。
【独立開業の課題と対策】
独立開業は、高収入の可能性と引き換えに大きなリスクと責任を伴います。十分な準備と計画、そして覚悟が必要です。
独立を検討する際は、経験豊富な先輩社会福祉士や専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。

独立する場合は情報収集をしっかり行うことが大切
社会福祉士は国家資格であり、その取得には一定の条件を満たす必要があります。資格取得のルートは複数ありますが、主に以下の3つに大別されます。
これらのルートに加えて、通信教育を活用した資格取得方法もあります。次の項目では、通信教育での社会福祉士資格取得について詳しく見ていきましょう。
通信教育は、働きながら或いは他の学業と並行して社会福祉士の資格取得を目指す人にとって、有効な選択肢となっています。 柔軟な学習スケジュールを組めることで、自分のペースで学習を進められることや全国どこからでも受講可能な点は大きなメリットでしょう。通学生に比べ低コストであることも少なくありません。
注意点としては、自己管理能力が必要であることです。計画的な学習スケジュールを立てて、しっかりと学習時間を確保するようにしましょう。また、同級生などとの交流も限られるので孤独感を感じやすい環境でもあります。個人の努力が色濃く反映されるので、自分自身で取り組みやすい方法を選択するようにしましょう。
通信教育での社会福祉士資格取得率は通学制と比べてやや低い傾向にありますが、計画的な学習と適切なサポートを受けることで、合格することは十分に可能です。
通信教育を選ぶ際はカリキュラムの充実度やサポート体制、学習教材の質などをチェックするようにしましょう。
通信教育で社会福祉士を目指す場合、自己管理能力と強い意志が必要ですが、仕事や家庭との両立を図りながら資格取得を目指せる点が大きな魅力です。
社会福祉士は、ソーシャルワーカーとしてさまざまな場面で活躍します。主な業務内容は以下の通りです。
これらの業務は、勤務先や専門分野によって重点の置き方が異なりますが、いずれもクライアントの福祉の向上を目指すという点で共通しています。社会福祉士には、幅広い知識と柔軟な対応力、そして強い使命感が求められます。
最後に、社会福祉士の需要と将来性について見ていきましょう。
社会福祉士の需要は年々高まっており、今後もその傾向は続くと予想されています。
2024年5月時点、社会福祉士は約30万人の登録者数がいますが、今後もさらに増加する見込みです。ソーシャルワーカーの需要増加率も他の職種と比べて高い成長率を示しています。
ただし、単に資格を持っているだけでなく、時代のニーズに合わせたスキルアップや専門性の向上が求められます。特に、ICTの活用能力やグローバルな視点、多職種連携のスキルなどが、今後ますます重要になるでしょう。
社会福祉士は、変化する社会の中で常に新しい課題に直面する職業です。しかし同時に、人々の生活を支え、社会の well-being に貢献できるやりがいのある仕事でもあります。
将来性は十分にありますが、自己研鑽を続け、社会のニーズに応え続けることが重要になるのです。

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