「新紙幣」7月3日の発行で変わること 新旧比べてわかりやすく解説「数字は大きく」「ホログラムも進化」「識別マークは斜線に」

7月3日から発行される新紙幣。旧紙幣から、いったい何がどう変わるのか?まとめました。新紙幣の千円札は、ペスト菌を発見するなど医療の発展に貢献した北里柴三郎さん。五千円札は津田塾大学を創立、日本の女子教育の先駆者として知られる津田梅子さん。そして一万円札は、日本最初の銀行を作るなど、近代日本経済の父と言われる渋沢栄一さんに変わります。
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出典:国立印刷局HP
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現在使われている千円札 野口英世さん、五千円札 樋口一葉さんは20年前から。一万円札 福沢諭吉さんは、40年前から使われているんです。
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今回はデザインも大幅に変わり、数字も大きくなりますが、これは誰にとってもわかりやすい「ユニバーサルデザイン」の考え方で作られたということで、外国の人が使うことも想定しているそうです。そして、注目が「ホログラム」。こちらもすごく進化しているんです。
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見る角度を変えると、ちょっと回転するように見えるんです。渋沢栄一さんがずっとこっちを見ているような感じに…
ホログラムは、千円、五千円、一万円と全てに使われています。
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さらにもう一つ大きな特徴があり、たとえば新一万円札は左右に「斜線」がついています。これは、識別マークと言って、指で触ってわかるように表面にデコボコと装飾が施されているものなんですが、他のお札では、千円札は左下と右上。五千円は上と下。マークは全て一緒なんですが、位置が違うことで、これは一万円なんだ、千円なんだ、五千円なんだとわかるようになっています。
出典:国立印刷局HP
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ちなみに旧タイプの今発行されている紙幣は、このマークがお札ごとに違ったんです。一万円はお札の隅にカギ括弧、「L」のようなマーク、5千円は丸、「●」のようなマーク、千円が横棒「―」のような印があります。新しいお札は全て同じマークで、お札ごとに位置が変わり、大きさも前より大きくなって、わかりやすくなっているということです。
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そして、この新しいお札が出始める時に、色々と話題になるのが「プレミア紙幣」というものなのですが、プレミア度が高い紙幣とは一体どういうものなのか確認しましょう。
新紙幣にはアルファベットと数字が書かれていますが、銀座コインの竹内三浩代表に聞いてみました。
まず、数字を挟んでいるアルファベットが全て同じ「AA―AA」の「ぞろ目」のもの、さらに6ケタの数字の部分も「ぞろ目」だと、かなり価値が高いということです。
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また、アルファベットに挟まれた数字が100以下「000088」といった早い番号が、とてもレアなんだとか。一方でアルファベットは関係なく、数字の部分が「000001」といった早い番号や、「111111」といった「ぞろ目」で、特に1と7と8の場合や、123456といった連続した数字も高値が付きやすいということです。
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「ぞろ目」でも、なぜ1と7と8なのか聞いてみると、1はNo.1の1、7はラッキーセブン、8は末広がりで縁起がいいから人気とのこと。
約10年前、樋口一葉が肖像画の五千円札で「AA888888AA」というお札があったそうで、何十倍の価値にもなったそうです。今回の新紙幣の場合は、100万円の価値を超える可能性もあるということです。
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一つは偽造防止。何年も同じ札を使っていれば偽造技術も上がってきますので、定期的に入れ替える必要があります。その効果があったかどうかわかりませんが、偽造通貨の発券枚数は減少傾向にあります。
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そしてもう一つは、やはり経済。中部圏社会経済研究所 難波了一研究部長に伺いました。例えば新しいシステムを導入するとなると、その更新の需要が増加します。新しい券売機を作る会社、それを売る会社と経済が動いてきます。
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ただなかなか券売機を買えないお店もあって、導入できないというところもあるかもしれません。100万円ぐらいの設備投資となると、それを何年かけてペイできるかという問題もあります。そのため、これを機に現金を扱わない、キャッシュレス化に踏み切るというところもあると。結果としてキャッシュレス化が進む可能性があるのではないかと、難波さんは指摘しています。
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ちなみに日本のキャッシュレス決済比率は4割で、コロナ禍で20%ぐらい増えました。これは非接触だからということで増えたわけですが、韓国、中国は8割9割。経済効果が期待できる一方で、注文が殺到していて、なかなか券売機が買えないというお店にとっては厳しいという両面がありそうです。
既に新紙幣に対応済みのATMや自動販売機、券売機などの全国の状況です。■金融機関のATM:9割以上■切符の販売機・レジ:8~9割■自動精算機、券売機:5割程度■飲料の自動販売機:2~3割
実は7月3日というのは、新紙幣が日本銀行から各金融機関に運ばれる日。実際に手にすることができるのは7月4日以降で、金融機関の窓口に行けば入手できるということです(一部の金融機関・支店を除く)。
また、この新紙幣発行のタイミングで起きてしまうのが詐欺。過去の事例をもとに、注意喚起がされています。
岐阜県警によりますと、金融機関の職員を名乗る人物から、こんな電話があるかもしれません。「新紙幣に切り替わると、旧紙幣は使えなくなります。今なら係の者が交換に伺います」と。旧紙幣が使えなくなることはありません。
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また、「新紙幣○○協会」といった実在しない団体を名乗る人物から、「新紙幣の発行に伴って銀行法が改正されるのでキャッシュカードをお預かりします」と言ってくるケース。「法律の改正」などといった“それっぽい言葉”には、だまされないように気をつけてください。
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そして、警察や金融機関を名乗る人から「国の施策で、新紙幣がATMで使えるか調査をしています。謝金を払うので協力してくれませんか」と言って現金を振り込ませるという手口も考えられるということです。
こうした詐欺には、十分お気をつけください。
では、新紙幣が発行されると、これまでのお札はどうなるのか?また、お札の寿命は一体どれぐらいなのか?
お札の寿命は、平均的に1万円札は4~5年程度。そして、千円・五千円札は、釣り銭などに使用することが多くて痛みやすいので、もっと短い1~2年程度といわれています。
(若狭敬一キャスター)古くなって寿命を迎えたお札は、その後どうなるんでしょうか。(山内アナ)世の中を流通して日本銀行に戻ってきたお札のうち、綺麗な状態の旧紙幣は、当面の間は再度流通させるということです。一方で、汚れや破れで再利用できないと判断されたものは、日本銀行で細かく裁断されて、トイレットペーパーなどにリサイクルされるか、焼却処分されるということです。

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