いつもと違う今年の梅雨 警報級大雨と猛暑が隣り合わせ いつま…の画像はこちら >>
いつもと違う今年の梅雨。遅い梅雨入り、梅雨入り早々に警報級大雨と猛暑が隣合わせ。災害級の大雨はいつまで?梅雨明けは?
いつもと違う今年の梅雨 ①遅い梅雨入り
今年は各地で平年より10日以上も大幅に遅い梅雨入りとなりました。原因のひとつが太平洋高気圧の勢力です。例年ですと、太平洋高気圧が強まり、その北にある梅雨前線が本州付近まで押し上げられ梅雨入りとなりますが、今年は太平洋高気圧の北への張り出しが弱く、6月に入っても梅雨前線がなかなか本州付近まで北上しなかったためです。統計開始以来、関東甲信や近畿では3番目に遅く、東海では4番目に遅い梅雨入りとなりました(速報値)。
いつもと違う今年の梅雨 ②梅雨入り早々 大雨と猛暑が隣り合わせ
例年の梅雨は、梅雨入り(シトシト)→梅雨の最盛期(6月後半)→大雨と猛暑が隣り合わせ(7月)という流れが多いですが、今年は違います。梅雨入りが遅く、いきなり最盛期のような雨となっています。梅雨入り直後から、梅雨前線に向かって梅雨末期のような非常に暖かく湿った空気が流れ込み、九州南部を中心にすでに6月の平年ひと月分の雨量を超え、鹿児島県指宿市では850ミリ(6月1日~27日)を超え、6月平年の約1.5倍の雨量となっています。そして21日(金)には鹿児島県で線状降水帯が発生。今日28日(金)は静岡県でも線状降水帯が発生し、東海道新幹線など一時影響が出ました。梅雨の最盛期の目安は、九州のすぐ南にある北緯30度線。梅雨前線がこれより北に停滞するようになると、西日本・東日本では梅雨の最盛期ですが、来週は最盛期を通りこし、北陸や東北付近まで梅雨前線が北上する見込みです。来週は、警報級の大雨エリアが太平洋側から日本海側へ移ります。西日本~東北の日本海側では大雨に警戒が必要です。7月1日は富士山の山開きの日ですが、西風がかなり強まる見込みで登山は危険が予想されます。最新の予報を確認して下さい。一方で、梅雨前線の南側に入る太平洋側を中心に、むし暑さのレベルが上がります。曇りや雨でも、最高気温30℃以上の真夏日続出、35℃以上の猛暑日に迫る所もあるでしょう。熱中症リスク大、食品の管理にも注意が必要です。7月4日(木)以降は、太平洋側も梅雨空が戻りそうです。
いつもと違う今年の梅雨 ③短い梅雨でも雨量が多い
梅雨の期間は、各地とも大体40日くらい。すでに梅雨明けをしている沖縄では、梅雨の期間は30日(平年42日)と平年より短い梅雨でしたが、梅雨期間の雨量は那覇で1000ミリを超え、平年の3.5倍の大雨となりました。各地の最も短い梅雨期間と総雨量の平年比をみると、東北南部や北陸、東海では、梅雨期間が短くても平年以上に雨量が多くなっています。最新の1か月予報によると、この先1か月は西日本~北日本の日本海側を中心に平年より雨量が多くなる予想です。今年に梅雨はメリハリ型。降る時はザッと災害級の大雨となるため警戒が必要です。
梅雨明けは?
日本気象協会が発表した2024年第1回「梅雨明け予想」によりますと、九州南部から東北北部の梅雨明けは7月中旬から下旬にかけてとなる見込みです。7月上旬は、梅雨前線が日本海から東北付近に北上し、太平洋高気圧が一時的に西日本に張り出す予想ですが、7月上旬後半~7月中旬は、梅雨前線は日本海沿岸や西・東日本に位置する予想です。7月中旬後半~7月下旬前半ごろに太平洋高気圧が東海上から徐々に張り出す見込みです。このため、九州南部から東北北部の梅雨明けするタイミングは、7月中旬後半~7月下旬前半とみられ、各地で平年並みの予想です。