珠玉の名作 観客魅了 「くるみ割り人形」ご当地要素ふんだん いすみ森下さん公演、触れ合いも

世界的なプリマバレリーナの森下洋子さん(75)が団長を務める松山バレエ団の「くるみ割り人形」が22日、いすみ市の岬ふれあい会館文化ホールで上演された。チャイコフスキーの珠玉のバレエ音楽に合わせ、ダンサーが生み出す華やかで壮大なストーリーに、会場を埋めた観客は魅了された。
物語は、雪が舞うクリスマスイブの夜にくるみ割り人形をもらった主人公の少女クララの心の成長を描くヒューマンファンタジー。森下さんの夫で、バレエ団総代表で演出・振り付けなどを手がける清水哲太郎さん(76)によると、スケール感の大きなオリジナル作品に、ご当地要素もふんだんに盛り込んだという。
ステージは2幕制で、第1章は森下さんがクララを演じた。多くの国際コンクールで受賞した実績を持ち、現在もステージに立ち続けるバレエ界のレジェンド的存在は3歳でクラシックバレエを始め、舞踊歴は70年を超える。
公演事務局によると、同市での公演は、バレエ団の親類縁者が市内にいたことをきっかけに2017年スタート。初演も「くるみ割り人形」だった。
拍手喝采のカーテンコール後に、全キャストが舞台から客席に下りて観客と触れ合いながら余韻をかみしめた。多くのダンサーと共に身体を使い、言葉を超えた芸術を披露した森下さんは「いすみの皆さまに温かく迎えられ、無事に上演できた。喜んでいただけたのであれば幸い」と感謝の言葉を述べた。

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