２０日に告示される東京都知事選（７月７日投開票）を前に、小池百合子知事（７１）、蓮舫氏（５６）、石丸伸二氏（４１）、田母神俊雄氏（７５）の４候補者が１９日、都内で日本記者クラブ主催の共同記者会見に臨んだ。各候補者にとっては、初顔合わせとなった討論会。蓮舫氏が質問で攻め、現職の小池氏がいなしていく構図で論戦を繰り広げた。
冒頭、候補者がほかの候補者を選んで質問するコーナーが設けられた。小池氏は司会者に促されると「皆さんの声を伺いたい。質問は特にございません」とスルー。自分からは動かないという横綱感漂う余裕の笑みを浮かべた。
対して蓮舫氏は「テレビ局から『小池氏と蓮舫氏の討論会を企画したい』と連絡が来るのに、公務を理由に小池都知事側が断る」と笑顔を交えつつ不満爆発。「討論会に一緒に出ていただけないでしょうか」と要望した。小池氏は「５０人出ているので公平性の担保はどうするのか」とやや渋りながら「要望があるので検討していきたい」。本気なのかどうかよく分からない先送りの言葉を繰り出した。
対抗心をあらわにしたのが、神宮外苑の再開発問題。蓮舫氏が「いったん立ち止まる」「都知事選の争点」と発言すると、小池氏は「争点にならない。私も立ち止まっているから」と即座に反論。樹木の伐採が課題とされているが、小池氏は「イチョウ並木が切られるとのイメージがあるが、そうではなく樹木の本数は増える。そもそも内苑は原生林で外苑は人工林というのを理解していただいてないのでは」と皮肉を言い放った。
最後に蓮舫氏が「行財政改革し、ガラス張りの都政を作る」と小池氏の情報公開の少なさを訴えると、小池氏は「数字については見える化を徹底して行っておりますので、どうぞご覧ください。共産党もよーく取材なされておられます」。蓮舫氏を支援する共産党の名前をわざわざ出して応酬した。
２人は時折お互いを見やりながら、過剰なほどの笑顔を見せていた。笑顔の裏で足を蹴り合うバチバチ感。熱気は都知事選期間中も続くのか。今日から１８日間の長い戦いが始まる。（樋口 智城）