無駄遣いになりがちなスーパーの「見切り品」特徴は?

春の値上げに続いて、秋にも大きな値上げが予定されています。値上げの主な要因は原材料費の高騰や円安などさまざまですが、家計の負担は増すばかりです。これまでは、プライベートブランド(PB)商品や、数量限定、その日限りの特売品でなんとかやりくりできていたものの、続く値上げでそれも厳しくなってきています。今までと同じように買い物かごに入れていると、「あれ? ちょっと高いかも……?」と思うこともあるのではないでしょうか。そんな値上げが続く状況では、「見切り品」を選択肢に加えることで、家計が助かる場合があります。とは言え、買うものによっては、ムダになってしまうことも。そこで今回は、おトクな見切り品とムダになる見切り品を紹介します。

そもそも「見切り品」とは?

お店が早く売り切りたい、見切った商品のことで、消費期限や賞味期限が迫っているものや、季節限定商品や旧パッケージの商品で、同じ売り場で値引きシールが貼られていたり、専用コーナーに値引きシールが貼られて売られています。

見切り品を購入するメリット

見切り品は、定価に比べると安価に買うことができます。期限が近付くにつれ、売れ残っている時間が長くなるにつれて割引率も高くなりやすくなります。値上げが続く状況で、安価に手に入る見切り品を取り入れることで、生活の助けになるでしょう。また、見切り品は売り切れなければ処分されることになり、食品のロスや、商品のロスの原因になります。店側は、購入してもらうことで、これらのロスも減らすことができます。
おトクな見切り品

食品は、傷みの状態をチェックして早めに食べきれるか考えて買うようにしましょう。

野菜……定番の野菜かつほとんど傷みがなく、購入後すぐに調理をするならおトク。また、値上がりしている野菜でも、見切り品なら予算に合うことも。

肉類…定番の鶏胸肉や豚こま肉など普段からよく食べているもので、買ってすぐに食べるか、下味をつけてから冷凍すればおトクに。

魚介類……日ごろから食べ慣れているものであり、その日のうちに加熱調理等で食べきれるならおトク。

キムチや納豆、ナチュラルチーズなどの発酵食品……発酵食品は、期限間近になると発酵が進んで食べごろになっているのでむしろ食べごろなので、おトクと言えます。

果物……傷みや汁、カビなどが生えてないかよくチェックして、当日中に食べる。イチゴなどは傷んだ部分を除去したのちにジャムなどに加工すれば、買うと高いジャムも安価に作れます。

惣菜など……とんかつといった揚げ物の見切り品はねらい目です。揚げる手間が省けるうえ、とんかつをだし汁としょうゆ、ネギなどを加えて、卵とじにすれば、増量することもできます。

調味料……よく使っている調味料が、パッケージ変更などで見切り品になっていたら、おトクに買うチャンスです。食塩や上白糖といった賞味期限がないものならさらにおトク。他にも、カレーやシチューのルウ、鍋つゆの素など期間限定商品や季節限定パッケージも、使うものならかなりお得に。

日用品は、いつも使っているもので季節入れ替え商品やパッケージ変更等で安くなっているなら、ある程度まとめ買いしてもいいでしょう。例えば、洗剤や柔軟剤、シャンプーなどはここ数年で値上げや減量が続いているアイテムです。とくに新パッケージが登場する前後は、旧パッケージが見切り品として安売りしていることがあるので、ねらい目です。
見切り品のデメリット

値引きや半額シールが貼られているからと言って、あれもこれもと買ってしまうのでは、結局はムダになってしまうこともあります。このあたりをしっかりと見極めることが大切と言えるでしょう。
買うとムダになりがちな見切り品

食品は、状態チェックだけではなく、そもそも必要なものかをよく考えてからカゴに入れるようにしましょう。

お菓子やジュース……半額シールが貼られている生洋菓子などはとても魅力的ではありますが、もともと買う予定がないものであることがほとんどです。たとえ半額でも買えば多少なりとも出費になります。本当に必要かどうか冷静になって考えるようにしましょう。

生鮮食品……野菜や、肉、魚、果物など、傷みが激しく可食部が少ないものは、いくら安くても購入は見送るべき。また、よくわからない、今まで調理をしたことがない食材は、持て余すだけなので、無理に買う必要はありません。

調味料など……普段から使わないような、食べたこともない未知のスパイスなども避けましょう。

もともと値段が高いもの……高級和牛やカニなど、そもそもの値段が高いものがいくら半額になったとしても、高くつくことがほとんどです。予算内に納まるならまだしも、他に買うものがあるならそちらを優先すべきでしょう。

惣菜など……一人暮らしの人がおかずを買い足すならお得度は高めですが、食べ盛りのお子さんが数人いるなど人数が多い家庭の場合は、まとめて作った方が安いこともあります。

日用品は、使ったことがないような製品は避けるべきでしょう。香りや使用感などは、思っていたものとは違った場合、処分せざるを得ない場合があります。

見切り品を上手に取り入れれば、家計にもお店のロスも削減してくれる一石二鳥なお買い物ですので、見切り品コーナーもチェックしてみましょう。

丸山晴美 外国語の専門学校を卒業後、旅行会社、フリーター、会社員、コンビニ店長へと転職。22歳で節約に目覚め、年収が350万円に満たないころ、1年で200万円を貯める。26歳でマンションを購入。2001年に節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザーの資格を取得し、お金の管理、運用のアドバイスなどを手掛け、TV、雑誌などで幅広く活躍している この著者の記事一覧はこちら

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