明治大学ら、縄文人が土器に栽培したダイズを埋め込み装飾としていた痕跡を確認

明治大学は6月10日、同学黒曜石研究センター、中央大学、金沢大学古代文明・文化資源学研究所、東京国立博物館と共同で実施した縄文時代中期勝坂式土器の研究結果について発表した。

2021年2月、東京都府中市の清水が丘遺跡から縄文時代中期勝坂式土器が出土した。この土器には装飾として、線状に隆起(隆線)するよう土を貼り付けた部分から7箇所の凹みが見つかっている。明治大学黒曜石研究センター、中央大学、金沢大学古代文明・文化資源学研究所、東京国立博物館はその土器の装飾について調査・分析。この凹みがどのように付けられたのかを探るため、レプリカを作製し、実体顕微鏡や走査電子顕微鏡を用いて観察した。

その結果、栽培サイズのダイズ属種子を押し付けて埋め込む手法により、意図的に付けられたことが明らかになった。日本列島の先史時代の土器において、装飾または儀礼などのために人間が意図的にダイズ属種子を埋め込んだと確実に言える初めての事例となった。

発見した土器は、府中市郷土の森博物館に収蔵されており、7月20日以降に同博物館において一般公開が予定されている。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする