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BMWのクルマは高性能バージョンだと車名に「M」が付きますが、バイクのBMWモトラッドにも「M」を冠するモデルがあります。スーパースポーツモデルの「M 1000 RR」です。このバイク、フロントに大きく横に張り出した謎のパーツが付いています。正面から見ると大きく口を開いているようにも見えますが、このパーツの正体は?
ヒント:クルマだったらリアにあるパーツ!?
同じくBMWモトラッドのスーパースポーツモデルである「S 1000 RR」も、このパーツを装着しています。でも、先代の「S 1000 RR」には付いていませんでした。
大きく口を開けたようなこのパーツの正体は? いったい、なんの役に立つパーツなのでしょうか? バイクに詳しいライターの室井大和さんに聞きました! 次のページで教えていただきます
――正解は次のページで!
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○問題をおさらい!
正解はこちら!
○【答え】ウイングレット
正解は「ウイングレット」です。
ウイングレットといえば、航空機の主翼の端っこに上向きで付けられている板のようなパーツを指します。直訳すると「小さい翼」。空力性能を高めるパーツです。
近年、レースでの走行も視野に入れたスーパースポーツなどと呼ばれる高性能なモデルを中心に、バイクでもウイングレットを取り付けるケースが増えているのです。
ウイングレットの具体的な役割としては、走行中にバイクに当たる空気の流れを速めることで、下向きの力を発生させ、車体を押さえつける空力ダウンフォースを発生させます。これにより、前のタイヤ(前輪)に荷重を持たせ、急加速をしても前輪が浮き上がるウイリー(前輪を宙に浮かせ後輪だけで走行すること)にならないようにしています。つまり、加速性能を高められるというわけです。
簡単にいえば、前輪を抑え込み、路面から前輪が離れてしまうのを防ぐという役割があるパーツなのです。前輪をしっかりと抑えることで、前後輪の駆動力を最大限かつ効率的に加速変換できるようになります。また、車体を安定させるというメリットもあるでしょう。瞬発力の高い高性能スーパースポーツモデルならではのパーツといえるでしょうね。
こうしたウイングレットは、BMWモトラッドだけではなく、ドゥカティやカワサキの高性能バイクにも見られます。形状は車種によってさまざまですが、秒単位で速さを競い合う高性能なバイクには欠かせないパーツとなっています。
以上、室井大和さんの解説でした。それでは、次回をお楽しみに!
室井大和 むろいやまと 1982年栃木県生まれ。陸上自衛隊退官後に出版社の記者、編集者を務める。クルマ好きが高じて指定自動車教習所指導員として約10年間、クルマとバイクの実技指導を経験。その後、ライターとして独立。自動車メーカーのテキスト監修、バイクメーカーのSNS運用などを手掛ける。 この著者の記事一覧はこちら