このクルマ、塗ってないんだぜ…? 車体の色、塗るから「貼る」へ転換なるか 何が問題で何がメリット?

「人とくるまのテクノロジー展2024」では、環境意識の高まりを反映し、自動車に不可欠なボディの塗料を代替する提案もいくつかありました。その一つが“フィルム”。塗料に比べてどのような優位性があるのでしょうか。
横浜市のパシフィコ横浜で2024年5月24日まで開催された「人とくるまのテクノロジー展2024」では環境意識の高まりを反映し、自動車に不可欠なボディの塗料を代替する提案もいくつかありました。そうしたなか、アイカ工業は車体に貼る特殊なフィルムを出展しました。
このクルマ、塗ってないんだぜ…? 車体の色、塗るから「貼る」…の画像はこちら >>フィルムでメタル調になったクルマ(乗りものニュース編集部撮影)。
公開していたのは、アクリル系の素材に特殊な樹脂をコーティングしたフィルム「ルミアート」です。担当者によると、真空の状態で部材に貼り付けるそうで「強度があり、耐水性も耐腐食性もあり高温、高湿度にも強い」と、クルマのボディに使用する素材としては十分な強度のようです。
劣化などに耐えられる年数もクルマの耐用年数にほぼ寄せているとのことで「現状のテストで8年は持つという結果は出ています。クルマの耐用年数の目安ともいわれる12年に耐えられるかどうか、現在試験中ですが、問題なく対応できると思います」と明かします。
ブースで「塗料は『貼る』時代へ」とキャッチコピーを掲げていた通り、アイカ工業は塗料に変わる素材として期待しており、コスト的にはまだまだなようです、将来的には納車されたクルマにこのフィルムが使われているという世界を見据えて開発しています。
フィルムの優れた点について担当者は「塗料は(炉で)乾燥させる段階で大量にエネルギーを使うのに対し、フィルムは貼るだけなので、CO2を大幅に削減できます」とコメント。さらに、「木目調や石の模様や質感など、塗料では再現が難しい模様も車体に貼り付けることができます」と、デザイン性の高さについてもアピールしました。

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