「市川市親善大使」に日本を代表するシンガーソングライター、さだまさしさん(72)を選任すると決めていた同市は24日、全国ツアー初日となった同市文化会館での公演に合わせ、会館で就任式を行った。田中甲市長から委嘱状と特大の大使の名刺を受け取ったさださんは「(市川では)中学時代から約20年、一番濃密な時間を過ごした」などと振り返り、親善大使としての活動に意欲を示した。
就任式は公演前に会館内の特別室で、田中市長との対談形式で進行。さださんは「(公演では)市川はいつも温かい。地元なので。この会場が出来たときからコンサートをさせてもらっている」と、市川との深い関わりを紹介した。
市川には叔母が長く住んでおり、小学1年から夏休みにはバイオリンを学ぶため市川に来て、散策や釣りを楽しんだという。学生時代には度の過ぎたいたずらもしていたとし「悪さばかりしていた。今ならだめですね」と会場を笑わせた。
今後の親善大使としての活動に向けて「市長にこれからじっくり話を聞きたい」としつつも、「これまで市川のことはあまり明確に歌の舞台にしてこなかった。身近すぎて歌うのが照れくさいというのがあったかも」などと述べ、歌詞に取り入れることへの関心を示した。
さださんは長崎市生まれ。バイオリン修行のため中学入学と同時に上京した。中学3年の時に親類を頼り市川市内で暮らし始め、30代半ばまで約20年、市川で過ごした。市は昨年からさださん側に大使就任を打診し、「(長く住んだ)市川市とはゆかりもあり協力させて頂ければ」と了承されたことを受けて、親善大使への選任を公表していた。