「事実は小説より奇なり」という言葉があるように、現実世界の出来事は往々にして人間の想像力を超えてくるもの。ときには、奇妙な出来事の裏に「さらに奇妙な真実」が隠れているケースも珍しくない。
以前X上では、まるでドラマの世界の出来事のようなハプニングが話題となっていたが、調査の結果「その裏に隠れた驚きの事実」が判明したのだ。
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今回注目したいのは、Xユーザー・木船田ヒロマルさんが5月9日に投稿した1件のポスト。
「回収したぜ…」という書き出しから始まるポストには、川を背景に車のキーを手にした写真が添えられており、キーには何やらチェーンのようなものが絡まっている。
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続く文章を見ると、そこには「娘が彼氏と別れ話になり、『やったネックレス今この場で川に捨てろ』と言われ、川に投げたらチェーンが絡んで、一緒に川の中に飛んでった貸してた僕の車の鍵を…」と、驚きの経緯が綴られていたのだ。
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まるでドラマのようなエピソードに、とんでもない不運が重なった事態は瞬く間に話題となり、同ポストは投稿から数日足らずで1万件以上ものリポストを記録している。
取材を快諾してくれた木船田さんに話を聞くと、事の発端は4月28日の深夜2時過ぎにまで遡ることが判明。
木船田さんは「同時刻に、娘から『借りていた車のキーを川に落とした。回収しようとしているが暗くて上手くいかない』という内容のLINE通話がありました」「どうしてそんなことに…と訝しがりながらも、スペアキーはありますし、夜の川に落ちでもしたら危険だと思い、『キーはもういいから帰っておいで』と伝えました」と、当時の様子を振り返る。
後日、娘に事情を尋ねると、恋人と別れ話になり『プレゼントしたネックレスを川に捨てろ」と言われ、サイドスローで勢いよく投げたら、チェーンが逆の手に持っていたキーに絡まり、その状態で遠くへ飛んでいったことが明らかに。
その後、100円ショップの材料を駆使した即席の「マグネット釣竿」を携え、現地で捜査を開始した木船田さん親子だが、キーは一向に見つからない。
すると、そんな様子を見た近所の人物と思われる男性から「あと1時間もしたら潮が引いて、川底を歩けるようになりますよ」と、耳寄りな情報が得られたため、一度帰宅して装備を整えることに。かくして無事、キーの救出に成功したのだ。
大切に乗っていた車(ダイハツ製)のキーが失くなり、木船田さん自身も思うところが無かったワケではないが、「詳しく聞けば別れ話の果ての出来事とのことで、娘の傷口に塩を塗るような真似をする気は起きませんでした」と、心境を振り返っている。
車のキー自体は諦めがつく物だが、娘が修学旅行のお土産にと買ってくれたキーホルダーがお気に入りだったため「どうにかしてそれだけでも回収したい」という思いがあったそうだ。なお、約10日間も水に浸かっていたキーはその後無事に復活し、問題なく作動している模様。
そこで今回は、このような事態に巻き込まれても復活を遂げたキーの性能について「ダイハツ工業株式会社」に詳しい話を聞いてみることに。すると、ダイハツ担当者も驚愕した、知られざる事実が明らかになったのだ…。
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回収したぜ……。娘が彼氏と別れ話になり、「やったネックレス今この場で川に捨てろ」と言われ川に投げたらチェーンが絡んで、一緒に川の中に飛んでった貸してた僕の車の鍵を……。 pic.twitter.com/WTsS7N3GLw
木船田ヒロマル (@hiromaru712) May 9, 2024
回収時のキーの様子を、木船田さんは「泥まみれで、11日間も潮水に浸かっていただけあり、露出した金具部分は錆だらけでした」と振り返る。
復活は絶望的な状態に思えたが、水道水で洗浄後に軽く拭き、アルコール消毒をしてカバーを開けたところ、内部の状態は良好で、すぐにでも使用できそうな印象を受けたそう。
そこで、通電させずに乾燥剤とともに密封して乾かしたところ、無事に作動したのだ。さらに、破損した箇所は補修によって新品と交換したため「落水前に限りなく近いか、それよりも良い状態です」とのコメントも得られている。
さらに、続くポストでは「すげー! 全く! 問題ない! 11日も満ち引きも流れもある潮水の川底にあったのに!」「さすがダイハツさん。これが一流企業の仕事だよな…」と感動した様子を綴っていたのだ。
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話題となったポストの詳細について説明すると、ダイハツ担当者も驚いた様子に。特に「キーがネックレスとともに吹っ飛んでいった」下りではハラハラした表情を浮かべ、「そんな漫画みたいな出来事があるのか…」と言わんばかりの、百点満点のリアクションを見せてくれた。
そこで今回は、木船田さんも大いに感動していた「キーの防水性能」と、それをもってすれば「今回のようなケースからの生還」も想定範囲内であるか、という2点について尋ねてみる。
すると、なんとダイハツ担当者からは「投稿主様がお乗りになられている車を含め、当社のキーに防水性能はございません」と、耳を疑う回答が飛び出したのだ。
そうなると、「後からキーが動かなくなった…」という事態も十分考えられるだろう。
しかし17日、念のため木船田さんにキーの状態を再度確認したところ「依然、全く問題ありません」「内部の電装系の一切がゴムの被膜でそっくりシーリングされており、そのひと仕事が功を奏したものと思います。何年も様々な環境下で使用する大事な部材として、手堅く誠実な設計をしてくださったダイハツの担当者の方に頭が下がる思いです」と、これまた驚きのコメントが返ってきたではないか。
11日も潮水の中にあったキーが発見され、防水機能が無いにも関わらず復活を遂げたのは、「二重の奇跡」以外の何物でもないだろう。
なおダイハツとしては、木船田さんの今回の対応に娘への深い愛情だけでなく、「自社製品への愛情」を強く感じている模様。
担当者は、「当社の軽乗用車をご家族の皆さまでご愛顧頂き、誠にありがとうございます。キーには防水機能は備わっておりませんので、今回は稀な事例かと存じます」「大変な自然環境にも関わらずご家族でキーをお探し頂き、無事にお手元に戻りましたこと、当社も嬉しく思います」と、笑顔を見せる。
そして「数あるクルマの中から当社の軽乗用車をご愛車にお選び頂き、このようなお話をお聞かせ頂けたこと、大変光栄に思います。これからも、大切に長くお乗り頂けますと幸いでございます」と、粋なコメントを寄せてくれたのだ。
キーが無事だった理由は不明だが、車を大切に乗っている父に「申し訳ない」と思う娘の気持ちと、そんな娘の無事を願う木船田さんの親心が生んだ奇跡なのでは…と感じたのは、記者だけではないだろう。
しかし、もちろん奇跡は滅多に起こるものではない。ダイハツ担当者は「水没させてしまった際はご使用を中止し、お近くのダイハツ販売会社にご相談をお願いいたします」ともコメントしている。
もとを辿れば今回の出来事は、別れ際に露見した男性の度量の狭さが原因。別れ際こそ、プレゼントを投げ捨てさせた川よりも深い、懐の深さを見せたいものだ。
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秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。
新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。
X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテ、ハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。