『子供部屋おじさん』をめぐり議論勃発 「ハッとした」「広まってほしい」

精神的、経済的に「自立していない」と揶揄(やゆ)されがちな、実家暮らしの社会人男性。
『子供部屋おじさん』という呼び方で、会社員やニートなどがひと括りにされている現状がありますよね。
2024年5月現在、X(Twitter)を中心としたSNS上で『子供部屋おじさん』に関する議論が巻き起こっています。
そもそも『子供部屋おじさん』という言葉は、いつから使われるようになったのでしょうか。
時を遡ること、2014年。日本発の大規模な電子掲示板サイト『2ちゃんねる(現:5ちゃんねる)』の書き込みをきっかけに、『成人をすぎても実家の子供部屋で暮らす中年男性』を指す造語として定着し始めたそうです。
「恋愛対象として見られない」「自立していないのでは」など、世間ではたびたび批判の声が集まっていますが、そのとらえ方は適しているのでしょうか。
※写真はイメージ
X上では、『子供部屋おじさん』をダサいものとする風潮に「よくない」と意見する人が、多数見受けられます。
【ネットの声】
・無理して一人暮らしをして、「生活がカツカツ」「貯金なし」といった状態になるくらいなら、実家暮らしのほうがいいんじゃないかな?
・物価の上昇や会社員の給料が上がりにくい状況下では、家族の助け合いがますます重要になると思う。
・実家暮らしでも、普通に働いていたら問題ない。いろいろな生活スタイルがある。多様性を認めるべき。
『子供部屋おじさん』を擁護する派の意見として多く見られたのは、実家暮らしを経済的なゆとりを持って生活するための『手段』としてとらえているもの。
確かに実家暮らしであれば、一人暮らしの場合にかかる家賃や光熱費などの負担が減ります。そのぶん毎月の固定費が抑えられ、得た収入を娯楽や交際費、貯蓄などに回すことができるでしょう。
現代の日本は物価上昇などの影響により家計負担が増え、たまにぜい沢をするくらいの『普通の暮らし』を送るだけで精一杯な人が、多くを占める状況です。そんな時代で実家暮らしを選択して生き抜くのは、賢明な判断なのかもしれません。
一方で、恋愛などの話題になると問題視されるのが、実家で暮らす男性の家事能力。
実家暮らしの場合、家事は家族に任せるか、分担することが多いようです。そのため、一人暮らしで家事全般をこなす男性と比較された際、実家で暮らす人は劣勢になりやすいとか。
現在、結婚や出産、育児など、ライフステージが変わっても働き続ける女性は、増加傾向にあります。それに伴い、結婚後の共働きを想定し、パートナーに高い家事能力を求める人が増えているのです。
とはいえ、今の日本は自由な働き方のみならず、多種多様な生き方が認められています。
世間一般の考えに流されず、個人が抱える経済的な問題や価値観と向き合った上で、あえて実家暮らしを選んでいる人もいるでしょう。
そうした現状への理解が広まれば、『子供部屋おじさん』に対する風当たりが多少は緩和されるかもしれません。
[文・構成/grape編集部]

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