信用できる政治家ランキング!3位山本太郎、2位石破茂を抑えた意外な人物は?

「国民の信頼回復のため、火の玉となって自民党の先頭に立ち、取り組んでいく」
昨年12月、臨時国会の閉会に伴い行った記者会見で、自民党の派閥による政治資金パーティー収入の裏金疑惑をめぐる政治不信の払拭についてこう語った岸田文雄首相(66)。
そこから5カ月が経とうとするが、信頼回復の兆しは見えていない。4月に行われた衆院3補欠選挙では、衆議院東京15区、島根1区、長崎3区のいずれも立憲民主党が勝利し、自民党は候補者擁立を見送った選挙区を含め全敗となった。
共同通信社が、自民党が唯一候補を擁立した島根1区補選で実施した出口調査によると、投票の際、自民の裏金問題をどの程度重視したかとの質問に「大いに重視した」と回答したのは40%、「ある程度重視した」と回答したのは37%で、計77%に上ったという。その結果の敗戦ということであれば、裏金問題による自民党への不信は未だ根強いといっていいだろう。
また、日本経済新聞社とテレビ東京が4月29~30日に行った世論調査では、岸田文雄内閣を「支持しない」は前回調査から3ポイント上昇し69%で、政権発足後最多となっている。
そこで、今「信用できる・信用できない」政治家は誰なのか? 20~60代の男女1000人を対象にセルフアンケートツール『QiQUMO』を利用して調査を実施した。今回は「信用できる」政治家として名前が上がった人の結果を発表する。
3位に選ばれたのは、れいわ新選組の山本太郎代表(49)。裏金問題については、1月の会見で「もうとっと逮捕しろなんですよ。一般の人らで3000万円以上隠し金を持って、納税もしなかったってなったらどうなりましたか?ってことですよ。永田町にいる汚いおっさんだけ免税なんですか?」と述べるなど、厳しく追求する姿勢を見せてきた。
そんな山本氏には《国民に寄り添って意見を述べ実行に移そうとしているから》《ちゃんと庶民の方を向いている》《国民目線での答弁をしている》などの声が寄せられている。れいわ新選組の公式YouTubeでは国会での質疑の様子などが公開されていて、これらの動画がXで拡散されることもしばしば。どのような発言をしているのか、支持者が把握していることが信頼感につながっているようだ。
2位に選ばれたのは自民党の石破茂元幹事長(67)。元々人気が高く、「次の首相にふさわしい人」についての世論調査では1位に選ばれることも多い。特に、自民党の派閥をめぐる裏金問題によって、派閥に属さない石破氏の評価は大きく向上したようだ。《誠実そうだし、問題も起こしていないから》《言葉に誠意と説得力があるので》などのコメントが寄せられた。
鳥取1区選出の石破氏。今回の補選では、島根1区から立候補した新人・錦織功政氏の応援演説を行なっていた。だが、その応援で”自民党を取り巻く現実”を目の当たりにしたようだ。4月29日に出演した『深層NEWS』(BS日テレ)では、「地方の人が今の政治に違和感、ズレを感じている」と実感したとコメント。
地方の声として、株価が高いのはめでたいが「地方で実質賃金は上がりましたか、株が高いってことは日本の経済がそんなにいいっていうことを意味しますか、それは地方にとってどうなんですか、みたいな。地方の実感と違うことが喧伝されていませんかっていう、そういう思いを島根に限らず全国の地方が持っているのではないだろうか。アベノミクスとは一体何だったのか。有権者の声を認識していると明かすことも、信頼感の醸成につながるのかもしれない。
そして、第1位に輝いたのは、自民党の麻生太郎副総裁(83)。過去には漫画好きとして、”オタク層”からの支持を得たこともあるが、今年1月にも上川陽子外相に対する「おばさん」「美しい方とは言わない」発言で炎上するなど、数々の失言が波紋を呼んできた人物でもある。実際「信用できない」政治家ランキングでも2位にランクインしている。
しかし、意外にも《ある意味、裏表がない》《本音をいってくれるため》と、歯に衣着せぬ発言がむしろ信頼できるとする声が上がった。裏表ないという点ではそうかもしれないが、麻生氏の発言には歴史認識の誤りや偏った点もあることには留意が必要だろう。
祖父は吉田茂で、父親は元衆議院議員で九州電力の会長も務めた麻生多賀吉。大金持ちの家系を持つ麻生氏は、’19年の副総理時代に「自分の年金を心配したことない」と発言するなど、庶民感覚からほど遠く批判を受けることも多々だ。
だが、昨今の裏金問題に影響を受けてかその裕福さを信用できる理由に上げる人もいた。《そもそも汚いことをする必要がないという余裕を感じるから》と逆に信頼できるというのだ。裏金問題の反動から、資産を持っている人が政治家として信頼できる状況になるというのは非常に皮肉なものである。
自由回答で行った今回のアンケート。実は、今回最も多かったのは「信頼できる政治家はいない」というものだった。株式会社社会調査研究センターが今年2月に実施した調査によると、日本の政治を「信頼していない」と答えた人は74%に上ったという。これらの回答をした人に「あなたの政治不信が向けられているのは」と尋ねたところ、「全ての政党・政治家」が54%となっていた。
裏金問題に見舞われた与党だけでなく野党も、厳しい現実を直視しなければならないようだ。

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