羽田空港の滑走路は4本。同空港は、その規模もさることながら、日本で滑走路を一番多く持つ空港としても知られています。この4本の滑走路をどのように使うかということについては、実は明確な原則が存在します。
日本最大の空港である羽田空港は、日本で最も多い4本の滑走路をもつ空港でもあります。4本もの滑走路を、どのように使いわけているのでしょうか。これには明確な原則が存在します。
滑走路多すぎ!? 日本最大「羽田空港」4本の滑走路の“使い分…の画像はこちら >>羽田空港(乗りものニュース編集部撮影)。
まず、羽田空港の4本の滑走路は以下のとおりです。
・A滑走路(3000m):第1ターミナルと国際線ターミナルに挟まれている。・B滑走路(2500m):A滑走路に対し、その北側で斜めに交わっている・C滑走路(3360m):A滑走路と並行する形で第2ターミナルの東側にあり、一番長い。・D滑走路(2500m):B滑走路と並行する形で、南にある離れの小島に作られている。
滑走路の向きは、その土地の風向きや天候などの条件にあわせて決められます。特に「風向き」は重要で、飛行機は向かい風のほうが、着陸も離陸も短距離で済むという特性があります。そのため滑走路は、飛行機が離着陸時に向かい風を受けやすい方向でつくられ、基本的にその方向で離着陸する運用が一般的。これは羽田も同様です。
羽田空港では、ほぼ南北方向にA・C滑走路、それにクロスさせるような形でB・D滑走路が設置されています。そして、離陸・着陸ともに滑走路の使用法はおもに3パターンに分かれます。
着陸時の運用では、冬などで北風が吹いているとA滑走路とC滑走路に南から、夏などで南風が吹いているとB滑走路とD滑走路に北側から着陸するという2つのパターンが一般的です。さらに後者の南風運用時の一部時間帯では、A滑走路とC滑走路に北側から着陸することも。これが、着陸前に都心上空を低空で飛ぶ、いわゆる「羽田新ルート」です。
AとC、BとD、どちらの滑走路の使うかは、原則として「どこから来るか」で決まることが多いとされています。たとえば北風運用時では、沖縄や福岡、台北など西や南から来る便は、おもにA滑走路を使用。北海道やヨーロッパやアメリカなどの北や東方向から来る便は、C滑走路を使用する傾向があります。
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羽田空港には4本の滑走路があり、そのうちA滑走路とC滑走路が平行している(画像:国土地理院)。
では、離陸の際はどのような滑走路の使われ方をしているのでしょうか。
北風運用時の離陸滑走路はC・Dの2本を用い、北(Dの場合は北東方向)向きに離陸滑走をするのが一般的です。一方、南風運用時は多くの時間でAとCの2本が用いられ、その2本から南に向かい離陸をします。さらに南風の一部時間で行われる「羽田新ルート」運用では、離陸にA・Bの2本が用いられ、Aは南に向け、Bは南西に向け離陸をする使い方がされています。