離婚したら家はどうする? 「売る」と回答した人の割合は

リライフテクノロジーは5月8日、離婚経験者を対象にした「不動産処分(離婚時)」に関する調査結果を発表した。調査は2024年4月4日~4月14日、30歳以上の男女337人を対象にインターネットで行われた。
○「どちらが家を引き継ぐ?」離婚時ならではの財産処分の悩み

「お住まいの住居は持ち家ですか?(離婚を経験された方は当時の状況を回答ください)」と質問したところ、64.7%が「はい」と回答し、30代以上では持ち家の割合の方が高いことがわかった。

続いて、「住宅ローンの名義はどなたですか?」と聞いたところ、約1/4に当たる26.4%が「夫のみ」と回答。共働き夫婦では「ペアローン」と回答した人も。また、少数だが「妻のみ」「連帯債務型ローン」と回答した人もいた。

さらに、「離婚するとしたら、不動産についてどのような問題が想定できますか?もしくは、離婚時に不動産についてどのような問題がありましたか?」と質問したところ、過半数の50.7%が「どちらが家を引き継ぐか」と回答し、次いで「残っているローンをどうするか」が約1/3の29.7%。「不動産処分についての合意」19.6%、「買い手が見つからない」17.8%と続いた。夫婦や家族で共有していた家に一方が離婚後も引き続き住むかどうかについて、多くの人が問題に感じていることがわかった。
○離婚したら家は「売る」が最多の32.3%

続いて、「離婚するとしたら、住んでいた家はどうすると思いますか?もしくは離婚をご経験された方の場合、どうしましたか?」と質問をした。

結果は「売る」が最多の32.3%。「自分が住む」28.2%、「相手が住む」19.3%、7.1%と少数ながら「賃貸にする」と答えた人もいた。

理由をみると、「売る」を選択した人からは「一番納得できそうだし、わだかまりがなくなる」(50代男性)、「生活環境も変わり、今の家に住み続ける必要が無くなるから」(30代男性)、「今までの生活の痕跡を残したくない」(60代男性)、「一人では広すぎるから」(30代男性)、「財産分与をするのに最も手っ取り早い印象で面倒がなさそう」(30代女性)との意見が寄せられた。

「自分が住む」を選んだ人は、「子どもの環境を少しでも変えないようにするため」(40代女性)、「自分が苦労して手に入れた家だし、住み慣れた場所で暮らしたい」(60代男性)、「親の資産を利用して建てたので自分が住む」(50代男性)といった意見だった。

「相手が住む」を選んだ理由としては、「旦那の実家を建て替えて、姑も同居しているから」(40代 女性)、「相手の両親が購入したから」(40代女性)、「男の見栄。他に譲れるものがない」(60代男性)、「妻は軽度の精神疾患を持っていて、一人で色々と新たな手続きをすることが難しいと想定されるため」(60代男性)とのこと。

「賃貸にする」理由としては、「東京の世田谷区なので借り手がつくと思う。実際、お隣は海外に行っていて貸し出している。夫1人で住むには広すぎる」(40代女性)、「便利な場所だから」(40代女性)、「双方住みたくないと思うから」(50代女性)といった意見が寄せられた。
○後悔しない売却に必要なのは「納得感」

続いて、持ち家を売却した経験がある人に、「売却時の査定額に納得しましたか?」という質問をしたところ、「はい」5.9%に対し、「いいえ」と答えたのは11.9%。納得した方を上回って、査定額に納得できなかった人が多いことが明らかになった。

回答理由を見てみると、「査定額に納得できなかった」人からは、「築浅だからもう少し高いと思った」(40代女性)、「仕方ないと納得するしかなかった」(40代男性)、「相見積もりすべきだったと後悔した」(50代男性)といった声が寄せられた。

「納得した」と答えた人からは、「買った時よりも値上がりしていて高額だった」(30代女性)、「立地とタイミングがよく高く売れた」(40代女性)、「ローンの残高より高く売れた」(40代男性)との声が。

「どちらでもない」と答えた人からは、「ネットで比較できる時代ではなく、相場がわからなかったので何とも言えない」(40代男性)、「当時は今のように簡単に多数の会社に査定を依頼できるシステムが無く、いくつかの不動産会社を周り一社に決めてから査定を依頼したので、その価格が妥当かどうかの判断がつかなかった」(50代女性)といった理由が寄せられた。
○離婚時に不動産処分が発生する場合、弁護士に相談する?

離婚時は財産分与だけでなく、さまざまな手続きや相手との調整が発生する。その際、弁護士に相談すると思うか(相談したか)聞いたところ、「はい」28.8%に対し、「いいえ」は59.9%。日本人の離婚の約90%が協議離婚で行なわれていることと同様に、今回の調査でも半数を超える方が弁護士に頼らず自分たちで解決しようと考えていることがわかった。

最後に、離婚時の不動産処分に関するトラブルの内容や感想、疑問点などを自由回答で依頼したところ、「相手が売却をしたくないと言った場合など、話がまとまらなかったり、平行線をたどる場合にはどのようになるのか不安」「誰に相談すればよいかわからない」「手続きはどれくらい大変で面倒なのだろうか」「本人同士の話し合いはお互いの意見を一致させることが難しいと思うので、第三者を介して解決したい」といった疑問や意見が寄せられた。

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