クルーズ船をアジア大会の選手村に 前代未聞のプランに出場経験者の反応は… 2026年の愛知・名古屋大会

2026年に愛知県で開かれるアジア大会で、選手村としてクルーズ船を活用する案が検討されていることが分かりました。選手村は作らないという、これまでの方針から一転しての試み、県民や選手の受け止めは?
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開幕まで864日、2年4か月後に迫った愛知・名古屋アジア・アジアパラ競技大会に向けて着々と準備が進む中、選手や関係者が滞在する選手村について大村知事から驚きの発言が。
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(愛知県 大村秀章 知事)「相当規模の選手が宿泊可能なクルーズ船をホテルとして提供する」レジャー客を乗せるための大型クルーズ船を港に停泊させ、選手村として活用しようというのです。
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(報告:荒川栞記者)「クルーズ船の停泊場所は名古屋港の中央に位置する金城ふ頭が有力視されています。現在は人もおらず殺風景な場所ですが、ここに各国の選手たちが集うことになるのでしょうか?」選手「村」という名の通り、アジア大会のような大きな国際大会では宿泊場所のほかレストランやトレーニングルームなど、アスリートたちが一定期間生活できる拠点を整備するのが通例で、クルーズ船を選手村として使うのは初の試みです。その狙いとは?
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(愛知県 大村秀章 知事)「経費の抑制を図り、簡素で合理的・機能的な国際スポーツの新たなモデルに」組織委員会は当初、名古屋競馬場の跡地に300億円をかけて選手村を整備し、大会後は商業施設としても活用する予定でしたが…(愛知県 大村秀章 知事:2023年3月)「東京オリンピック・パラリンピックで多額の開催経費が問題視された」資材の高騰などを受けて建設を取りやめ、既存のホテルに分散して宿泊する計画に変更しました。しかし、主催者のアジア・オリンピック評議会(OCA)が選手村を建設しないことに難色を示したため、折衷案として大会に参加する最大1万5000人の選手や関係者のうち3000人ほどを収容できるクルーズ船を使う案が浮上したのです。前代未聞のプランに愛知県民は…「経費削減にもなり、選手にとっても遜色なければいい」「いいと思う。今あるものを使える」「船酔いとかどうか。大きいから大丈夫なのか。そのあたりも選手からの理解を得られて、説明できればいいと思う」
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肯定的な意見が多い一方、選手たちはどう思うのでしょうか?(元レスリング選手 登坂絵莉さん)「クルーズ船になって、以前より環境が整わないなら、アスリートとしてはかわいそう」2014年のアジア大会で金メダルを獲得した、元レスリング選手の登坂絵莉さん。大会期間中の生活拠点となる選手村の環境が、コンディションにも影響すると話します。(元レスリング選手 登坂絵莉さん)「しっかり休めるスペースや、食事が取れる場所がある(ことが大事)。日常生活をスムーズに快適に送れると、選手としてはいい」
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さらに感染症に関する心配も。大村知事は2023年3月の会見で、選手村の建設中止を決断した理由について。(愛知県 大村秀章 知事:2023年3月)「選手間の交流を遮断して、新型コロナの感染を防ぐ。選手村という『集める』ということが逆にリスクになっている。選手村での選手間の交流を期待することは無理がある」この1年で180度の方針転換をした形ですが…(愛知県 大村秀章 知事)「(Q:クルーズ船でクラスターが発生した事例も?)当然、万全を期していく。クルーズ船を入れて宿泊施設が約50ある。1か所2か所に集約するということではないので、分散と言えるのではないでしょうか。あとは基本的な感染防止対策は、しっかりやっていく」使用する船の種類や使用料については今後、船会社と協議するということです。

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