“土壁なくした”「上げ馬神事」 すべての馬がけがなく坂を駆け上がる 境内には神事に反対する団体の姿も 三重・多度大社

5月4日・5日、三重県桑名市の多度大社(たどたいしゃ)で、「上げ馬神事」が行われました。「動物虐待ではないか」との批判を受け、ことしは「馬の上がり方」が変わりました。
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三重県桑名市の多度大社。ゴールデンウイークの風物詩となっている「上げ馬神事」は、ことしは好天に恵まれ、4日・5日の2日間で約14万人が訪れて賑わいを見せました。その呼び物の上げ馬神事ですが…ことしは?
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(境内アナウンス)「見事、ショートスター号上りました」何か、イメージと違う様子。馬は難なく坂を駆け上がっていきました。
700年近い歴史を持つ多度大社の上げ馬神事はこれまで、境内の坂を上がったさらにその上に、高さおよそ2メートルの「土壁」を作り、馬が土壁を越えた回数によって、その年の「豊作や景気を占う」とされてきました。しかし、コロナ禍を経て4年ぶりに行われた去年の神事で、骨折した馬が殺処分されたことなどが「動物虐待」にあたると批判の声が相次ぎました。
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(多度大社 平野直裕権宮司 2月22日)「時代にあった神事に改革しなければならないと、思いを新たにした」そこで多度大社は、「馬の安全が第一」という新たな方針に舵を切ります。ことし2月には、土壁をなくして上り坂も緩やかにするなどの改善策を発表。
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4日・5日の神事では、登場した9頭すべての馬が、土壁のない坂をけがなく駆け上がりました。これまであった「豊作や景気を占う」という神事の意味合い自体が変わってしまったかのようで、この新たな上げ馬神事に見物客は。(見物客)「迫力はやっぱり毎年来ているので、いつもよりかは欠けているかと思うが、お祭りの雰囲気は変わらずあったので、お祭りがある限り見にきた」「伝統の形が変わるのは寂しいが、時代とともに変わっていくと思う。安全な方が見る方としては安心」「去年までの坂で迫力がある方がよかった」
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また、神事の合間にはこんな一幕も。(平岩洵人記者)「愛護団体が馬のボードを掲げてデモ活動を行っています。『神事は動物搾取の言い訳にならない』などと書かれています」
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あくまで上げ馬神事に反対する団体と見物客とが言い争いになり、警察が事を収める場面もありました。
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来年以降の上げ馬神事について主催者側は、土壁を作らないなどの方針を基本的に継続するとしたうえで。(多度大社御厨総代会 伊藤善千代代表)「この辺も少子化が進んでいる。祭りも女人禁制みたいな形でやっているが、徐々にオープンにしていっても良いのではと思う」これまで認めてこなかった女性の参加について言及するなど、「時代に則した改革の必要性」を改めて強調しました。

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