フードコートやカフェなど、料理を客自身が席まで運ぶ必要がある飲食店で、使われていることがある、呼び出しベル。
料理の完成を、席で待つ客に知らせる役割を果たす物で、普段は何気なく使用している人が多いでしょう。
しかし、障がいのある人にとって呼び出しベルは、ちょっとした不安要素が隠れているといいます。
生まれつき耳が聞こえない、うささ(@usasa21)さん。2024年のゴールデンウィークに、ある飲食店を利用しました。
初対面の人は、うさささんに聴覚障がいがあることを知りません。そのためうさささんは、店員などには、耳が聞こえないことをあらかじめ伝えるようにしています。
この日も、注文の際にスタッフに事情を説明。すると、スタッフはすぐさま状況を理解して、このような対応をとったそうです。
「耳が聞こえないことを伝えたら、即マスクを外しゆっくり口を大きくしながら話してくれて、呼び出しベルと一緒に、この筆談メモを渡してくれた」
うさささんの事情を知ったスタッフは、唇の動きから言葉を読み取れるように、すぐさまマスクを外したとか。
さらには、呼び出しベルに「番号札が振動します」というメモを付けて、渡してくれたそうです。
飲食店で使われる呼び出しベルは、振動する物やランプが点滅する物もありますが、音が鳴るだけのタイプも存在しています。
耳が聞こえないうさささんは、音のみのタイプでは呼び出しに反応できません。そのため、飲食店では毎回「これは振動しますか?」と確認しているといいます。
しかし、今回はうさささんが聞くよりも先に、スタッフがメモを渡してくれた模様。相手の状況を考えて、先回りで対応する気遣いが、素晴らしいですね。
スタッフの行動に感動した、うさささんは「ゴールデンウィークで忙しい時なのに感謝。ご飯がよりおいしく感じました」と感謝を伝えたのでした。
【ネットの声】
・こんなふうにすぐさま気配りができる人になりたい。
・呼び出しベルにも「振動します」とか書いてあったらいいのにな!
・読んでいて私も嬉しくなった。涙が出た。
なお、うさささんは以前に、呼び出しベルに関する漫画を描き、公開していました。
聴覚障がい者が感動した、店員の行動 「ハッとした」「知らなかった…」
「漫画を読んだことがあるのかな…もしそうだとしたら嬉しい」と話す、うさささん。もし本当に漫画を読んだことがあったとしたら、とても素敵ですよね。
もちろん、もとから呼び出しベルの事情を知っていたとしても、実際に行動するのは、誰にでもできることではありません。
スタッフのように、どんな状況でも相手の境遇や気持ちに寄り添った、気遣いができる人になりたいものですね。
[文・構成/grape編集部]