『そつなくこなす』とは? 意味や言い換え、例文も紹介

『そつなくこなす』とは、『手際よく円滑に仕事をこなす』ことを意味する言葉です。作業を滞りなく進めていく様子を表します。基本的には、人の仕事ぶりを称える言葉として使いますよね。
この記事では、『そつなくこなす』という表現の意味や使い方、そうした能力を持つ人々の特徴について解説していきます。
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まずは『そつなくこなす』という言葉の意味を、漢字の由来や類語の観点から掘り下げていきましょう。
『そつなくこなす』とは、仕事や課題を手際よく、スムーズに片付けることを指します。支障なく、スムーズに業務をこなす様子を表現する言葉です。
漢字表記は『疎(そ)つなく』ではありません。正しくは『馳(そ)つなく』です。英語表記は”Smoothly handle”や”Carry out efficiently”などが適切でしょう。
『そつなくこなす』の言い換えとしては、『手際よくこなす』『スムーズに処理する』『要領よく済ます』などが上げられます。類語には『淀(よど)みなく進める』『手慣れた様子でこなす』などがあります。
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一般的にこの表現が褒め言葉として使われるのかについても確認します。
『そつなくこなす』という表現は、基本的には褒め言葉として使われることが多いです。仕事や課題をスムーズに処理できる力量は高く評価されるため、人の能力を讃えるときにこの言葉が用いられます。
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『そつなくこなす』という表現は基本的に人の仕事ぶりを称えるための褒め言葉として使われます。しかし、場合によっては注意が必要です。この表現を使う上での注意点について見ていきましょう。
『そつなくこなす』という表現は、目上の人に対しては避けた方が無難です。若干カジュアルな言い回しのため、丁重さを欠く可能性があります。
目上の人の業務をほめるときは、『確実に遂行なさる』『着実にこなしていらっしゃる』などの丁寧な表現を心がける必要があります。
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具体的にどのようなシーンで『そつなくこなす』という表現が使われるのか、日常とビジネスの場面に分けて例文を上げてみましょう。
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仕事をそつなくこなせる人は、どのような能力や資質を持ち合わせているのでしょうか。そうした人々に共通する特徴を上げてみました。
仕事をそつなくこなせる人は、優れた計画力と行動力を兼ね備えています。作業を進める上で起こりうるトラブルやミスにあらかじめ目を配り、それらに備えた行程や計画を作成。
要所要所で適切な時間的余裕を持たせることで、落ち着いた行動がとれ、失敗するリスクを最小限に抑えられるのです。
そつなくこなせる人は、状況判断力と問題解決力に長けています。一つひとつの作業について発生しうるさまざまなケースを想定し、各場面で最適な対処法を選択可能です。臨機応変な判断力があるため、手順に無駄な手間がかからず、効率的に業務を遂行できます。
そつなくこなせる人は、業務の優先順位を的確に把握し、常に意識しながら作業に当たります。重要度が高い業務から着手し、期限にも十分に注意を払いながら、計画的に一つひとつの作業を消化。こうした優先順位の明確な意識があるからこそ、すべての業務を手落ちなくこなせるわけです。
そつなくこなせる人は高いコミュニケーション能力も持ち合わせています。上司や同僚、部下など、関係者全員との適切な連携がとれるため、スムーズな業務遂行が可能です。報告・相談・指示出しのタイミングを的確に掴み、お互いに無駄のない協力体制を構築しています。
業務をそつなくこなすためには、さまざまな仕事を同時並行で抜けるところなく処理していく能力が求められます。その際、ITリテラシーの高さが大きな役割です。
ITツールの適切な選定と使いこなしができれば、限られた時間の中で最大限の業務処理が可能になります。PCやスマートフォン、アプリなどを自在に操れるデジタルリテラシーが、そつなくこなすための重要なスキルです。
デジタル化が一層進展する社会で、ITの知識とスキルは業務効率を左右する大きな要素といえます。ITを的確に活用しながらさまざまな仕事を同時進行でこなしていく力が、そつなくこなせる人に求められる資質の1つです。
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仕事をそつなくこなせる人には、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。
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仕事をそつなくこなせる人が、その高い能力を長所として最大限に生かすにはどうしたらよいでしょうか。重要なのは、以下の点に気をつけることです。
ある程度の仕事をこなせるようになったら、次なる目標を立てることが求められます。現状に満足せず、さらなるスキルアップを目指す姿勢が大切です。
そつなくこなせる人は、人間関係において広く浅い付き合いをする傾向があります。しかし、誰かとより深い関係を築きたいのであれば、積極的にコミュニケーションを図り、自分を深く理解してもらうことが重要です。
人との対話を大切にすることで、コミュニケーション能力が高まります。また、自分の本当の姿を知ってもらえば、『冷たい人』といった偏った印象を払拭できるでしょう。
そつなくこなせる人は、大きな努力をしなくても仕事をこなすことが可能です。しかし、周りからその能力を当然視されているため、期待値どおりの成果を出したとしても、高く評価されないことがあります。
常に期待値を上回る成果を出せるように、さらなる努力を惜しまない姿勢が大切です。そうすれば社内で高く評価され、『向上心がない』といった誤解も生まれにくくなります。
確かに『そつなくこなす』という言葉は、余裕のない作業ぶりを指してネガティブな意味合いで使われる場合もあります。しかし基本的には、スムーズに業務をこなせる人を称えるためのポジティブな表現です。
そつなくという言葉のイメージを正しくつかんで、適切に使いましょう。
[文・構成/grape編集部]

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