歴史的建造物が残る香取市の観光地「佐原の町並み」の路地裏に27日、生産量日本一を誇る同市のマッシュルームをふんだんに使ったナポリタンパスタの専門店「茶屋花冠北横宿別邸」がオープンした。主人の松本青山さん(42)は「市名産のマッシュルームを発信する拠点として市民や観光客に魅力を伝えたい」と意気込む。
同店は、東京で会員制の美食サロンを営む松本さんが2021年に佐原で開業した洋酒喫茶「茶屋花冠ステーキ茶論(さろん)」をリニューアル。松本さんは同市の特産品としてサツマイモの名が挙がる一方で、全国トップの生産量を誇るマッシュルームの知名度不足を指摘。日本人になじみ深い「ナポリタン」を切り口に、マッシュルームへの関心を高めたいと考えた。
提供するナポリタンは、マッシュルームのうま味を感じられるよう、パスタに合わせる食材は、あえてごろっとカットしたマッシュルームのみ。味付けは、トマトソース。隠し味にエビで作るアメリケーヌソースも使った。甲殻類アレルギーに対応したナポリタンも用意。料金は100グラム990円(税込み)から。
うま味成分が豊富なマッシュルームのおいしさをシンプルに知ってもらおうと、塩とコショウを入れた熱湯でゆでた「マッシュルームの水炊き」も販売する。
関係者を招いた試食会で、国内のマッシュルーム生産シェア約4割を占める「芳源(よしもと)マッシュルーム」(同市)の社長、菅佐原芳夫さん(70)は「たくさんマッシュルームが使われていておいしい。多くの人に食べてもらい、魅力が広まれば」と期待した。
開店を記念したトークショーも市内で28日に開き、松本さんと菅佐原さんがマッシュルームや食文化の楽しみ方を紹介した。
営業時間は、ランチが午前11時半~午後2時半(ラストオーダー)で、ディナーは午後6時~8時(同)。月~水曜日は定休。問い合わせは同店(電話)080(8105)1129。