東京商工リサーチは、2024年上場企業「早期・希望退職者」実施状況結果を4月24日に発表した。同調査は、「会社情報に関する適時開示資料」(2024年4月23日公表分まで)と東京商エリサーチ調査に基づき、希望・早期退職者募集の具体的な内容を確認できた上場企業を対象に行われた。
2024年4月23日現在、「早期・希望退職者」の募集が判明した国内の上場企業は21社で、前年同期の16社を5社上回った。対象人数(国内)は3,724人(前年同期1,236人)で、前年同期の3倍に達した。すでに2023年(3,161人)の年間実績を563人上回り、構造改革の促進で年間1万人超のペースで推移している。
2024年4月23日までに「早期・希望退職者」募集が判明した上場企業21社の業種別は、最多が情報通信(前年同期3社)と電気機器(同3社)の各4社だった。次いで、サービスが3社(同1社)、食料品(同ゼロ)とアパレル関連(同1社)が各2社で続く。情報通信とサービスはコロナ禍で変化した市場ニーズに対応した実施が目立った。電気機器はすべて構造改革に伴う募集だった。
2024年4月23日までに早期・希望退職者の募集が判明した上場企業21社(単体)の募集判明時の直近通期損益は、黒字が12社、赤字が9社で、全体の57.1%が黒字だった。黒字企業12社のうち、9社(構成比75.0%)が東証プライム上場で7割以上を占めた。
一方で、赤字企業の9社のうち、東証プライムは3社にとどまり、東証グロース3社、東証スタンダード3社と、比較的規模が小さな企業に集中した。業種別では、情報通信とサービスが各2社、機械、その他製品、医薬品、食料品、アパレル関連が各1社だった。
募集人数(募集時点の人数が非公開の場合、応募人数を適用)では、未定・非公開6社(構成比28.5%)を除き最多は、1~29人の6社(同28.5%)だった。次いで30~99人の4社(同19.0%)、100~499人と1,000人以上の各2社(同9.5%)、500~999人が1社(同4.7%)と続く。
未定・非公開にはソニーグループ、コニカミノルタの国内外におよぶ構造改革に伴う募集を含む。1,000人以上は資生堂とオムロンの2社だった。