ついに大型爆撃機まで撃墜? ロシア軍はどれだけ航空機を失ったのか ウクライナ侵攻で損害かさむ

1960年代に開発されたミサイルが使われた?
イギリス国防省は2024年4月20日、ロシア空軍のTu-22M3爆撃機がウクライナ軍のS-200地対空ミサイルによって撃墜されたとの見解を発表。ロシア軍は、ウクライナへの全面侵攻を開始した2022年2月から現在までに、少なくとも100機の固定翼航空機を喪失した可能性が高いとの分析を明らかにしました。
ついに大型爆撃機まで撃墜? ロシア軍はどれだけ航空機を失った…の画像はこちら >>ロシアのTu-22M3爆撃機(画像:ロシア空軍)。
Tu-22M3は、ロシア空軍が運用する大型爆撃機で、可変翼構造が特徴。核兵器や極超音速ミサイル「キンジャール」の搭載も可能です。日本ではNATO(北大西洋条約機構)が付与したコードネーム「バックファイア」の愛称でも知られています。
ウクライナ国防省は4月19日、Tu-22M3の撃墜に初めて成功したと発表。国防省傘下の情報総局と協力し、地対空ミサイルによって撃墜したことを明らかにしています。ウクライナ軍の地対空ミサイルが大型爆撃機を撃墜するのは初のケースで、ロシア南部に位置するスタヴロポリ地方で墜落した模様です。 SNS上では、同機が空中で制御を失い墜落する映像が拡散されました。ロシア国防省は、Tu-22M3が墜落して乗員の捜索・救助活動を実施したことは認めたものの、原因は機体の技術的な不具合であり、ウクライナ軍による撃墜ではないとしています。 イギリス国防省によると、撃墜されたTu-22M3は、4月19日にウクライナ南部を目標とした攻撃を行っていたそう。攻撃には1960年代に旧ソ連が開発したS-200地対空ミサイルが用いられ、これは2024年2月23日にロシア空軍のA-50早期警戒管制機を撃墜したのと同じ兵器システムである可能性が高いと指摘しています。 今回、ウクライナ軍は大きな戦果を上げたものの、防空兵器は不足しており、全体的に見ると厳しい状況にあるようです。アメリカのシンクタンク・戦争研究所(ISW)は4月19日、「ウクライナの防空能力は依然として限られ、低下しているため、ロシアの航空機は前線の重要な地域で脅威を受けることなく自由に活動することができる」と分析しています。

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