弁護士のミスで離婚手続きされてしまった夫婦、取り消し申請を却下される

今や法的な手続きもオンラインで完結できる時代。英国ではワンクリックで離婚手続きも可能だ。しかし、その利便性が裏目に出て取り返しの付かない事態に陥ってしまった夫婦がいる。
自称“離婚のディーヴァ“こと、アイーシャ・ヴァルダッグ弁護士がロンドンで経営するヴァルダッグス法律事務所。The Guardianによると昨年10月3日、離婚案件に強いこの事務所のスタッフが、クライアントの「最終離婚命令」の申請をHM Courts and Tribunals Serviceが運営するポータルサイトで行った際、誤って別の夫婦のファイルで手続きを進めてしまったという。
「最終離婚命令」とは、離婚の法的プロセスにおける最終段階にあたり、裁判所が婚姻を法律上終了したことを確認する文書を指す。BBCによるとポータルサイトのシステムでは、離婚命令は申請からわずか21分で発行されるという。
ヴァルダックス法律事務所は3日後にミスに気が付き、裁判所で最終離婚命令の取り消しを申し出たが、アンドリュー・マクファーレン判事はこれを却下した。
「最終離婚命令から生じる確実性と最終性を尊重し、それによって確立された現状を維持することには、公共政策において大変強い利益がある」と判事は却下した理由を説明。ヴァルダック弁護士は「事務的なミスを理由に離婚させるべきではない。離婚する側に意図がなければならない」と反論したが、判決は覆らなかったという。
今回、離婚させられてしまったウィリアムズ夫妻は21年間の結婚生活の末に別居を選び、財産分与についての話し合いを進めていた段階だったそうだ。

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