まだ日本では発売になっていないフォルクスワーゲンの電気自動車(EV)「ID.Buzz」を「オートモビルカウンシル2024」(AUTOMOBILE COUNCIL 2024、4月14日まで幕張メッセで開催)で発見した。しかも大阪ナンバー付きで、すでに街を走っているらしい! どんな経緯で日本にやってきたのか、持ち主に聞いてみた。
なぜ日本に? 商用ID.Buzzの来歴とは
「ID.Buzz」はフォルクスワーゲンのEVで、日本発売は2025年初頭になる見込み。「ワーゲンバス」としておなじみの「タイプ2」が電化して復活したようなクルマで、乗用タイプと商用タイプがある。
オートモビルカウンシルでID.Buzzを展示していたのは、クラシックなフォルクスワーゲンの輸入、販売、メンテナンス、レストアやパーツの販売などを手掛ける「フォルクスワーゲンアミューズメントガクヤ」(GAKUYA)という大阪府の会社。今回のメインの展示アイテムは「ブレイズカット」(BLAZECUT)という「自動消火システム」なのだが、GAKUYAではID.Buzzを輸入して自社のPRや実際の運送業務などに使っているそうだ。
ID.Buzzにはミニバンのように乗る乗用車タイプと荷物を運ぶカーゴ(商用車)タイプがある。GAKUYAが持っているのはカーゴタイプで、前席は3人が乗れるベンチシートになっている。その後ろは広い荷室だ。
そのうち、フォルクスワーゲンジャパンがID.Buzzの輸入を始めたとしても、その場合に持ってくるのはおそらく乗用車タイプなので、カーゴタイプを日本で見られること自体がかなり珍しい。日本で乗った感じについてGAKUYA代表取締役の木下大輔さんは、「走りはいいですよ。よく走ります。静かすぎて、タイヤノイズが気になるくらいです」と話していた。将来的には、ID.Buzzにポップアップルーフをつけてキャンパー仕様にするアイデアを検討中だという。
ところで、自動消火システムって何?
GAKUYAがブースで展示していたのは「ブレイズカット」という商品だ。クルマのエンジンルーム内(ボンネットの裏側など)に取り付けるチューブ状の自動消火システムで、貴重な旧車に乗る人には特に役立ちそうなアイテムだった。
チューブには液状の消火剤が入っている。エンジンが発火して熱が加わるとチューブが破裂し、中の消火剤を気体として噴射することで一気に鎮火する。電源もボンベも不要で、消火器のように汚れることもないところが特徴だ。車両火災をボンネット内で食い止めることができれば、貴重な旧車を廃車にしなくて済む。
思い入れのある愛車には大切に乗って、次の世代に引き継ぎたい。そう考える人は、自動消火システムの取り付けを検討してみてもいいかもしれない。「自動車保険の特約オプションを付けるような気持ちで」(木下さん)取り付けておけば、いざというときも安心だ。