普段から料理をしていると、生肉を調理する機会があるもの。
生肉を使った料理はレパートリーが豊富で、おいしいですが、しっかり火を通して調理することが大切ですよね。
肉を生のまま口に入れると、食中毒菌によって発熱や腹痛などを起こす恐れがあります。
医療提供体制の整備などを業務とする、東京都保健医療局は、食品の安全に関するさまざまな情報をウェブサイトで公開しています。
消費者からの食品に関する質問が記載されたページには、以下のような問いが掲載されていました。
「家庭で生肉を調理する際に、どのようなことに気を付ければよいですか?」
東京都保健医療局は、生肉を加熱調理する際に気を付けるべきポイントを、以下のように解説しています。
1 よく加熱する
中心部が 75 ℃で1分間以上になるように加熱すれば、食中毒菌を死滅させることができます。目安として、中の色が完全に変わるまで十分に加熱してください。
2 生肉は最後に調理する
生肉についている菌が、手や、包丁、まな板などの調理器具等を介して、他の食品にうつることを二次汚染といいます。二次汚染を防ぐため、生肉はできるだけ最後に調理してください。
3 肉を焼くときは専用の箸(はし)を使う
生肉を焼くときは専用のトングや箸(はし)を使用してください。焼きあがった肉を皿に取り分けるときや、食べるときは別の箸を使ってください。
東京都保健医療局 ーより引用
生肉は、中の色に変化が見られるまで十分に加熱しましょう。
肉の中心部が75℃で1分間以上になるように熱すると、食中毒菌を死滅できるのだとか。
また、二次感染を防ぐためにも、生肉は最後に調理するとよいのだそうです。
さらに同局は、以下の2点も挙げています。
4 調理器具は使い分け、使用後は洗浄消毒する
サラダや果物などそのまま食べる食品に用いるまな板と、肉や魚などに用いるまな板は使い分けてください。
生肉が触れた調理器具は、中性洗剤でよく洗い、消毒します。熱湯で消毒する場合は、熱湯をゆっくりかけたり、煮沸したりすることで、75 ℃が1分間以上保たれるようにしましょう。
漂白剤は表示されている方法で使用し、流水で十分にすすいでください。まな板は使用面だけでなく裏面や側面も洗い、包丁は柄まで全体を丁寧に洗ってください。
傷ついた古いまな板(特に木製)は汚れが落ちにくいので、丁寧に洗浄し、長めに消毒する必要があります。
フキンやスポンジは菌が増殖しやすいので、十分に汚れを落とし、漂白剤や煮沸などで消毒し、よく乾燥させましょう。
5 手はしっかり洗う
生肉を触った手についた菌は水洗いだけでは落ちません。石けんを十分に泡立てて丁寧に洗い、流水でよく流してください。
東京都保健医療局 ーより引用
肉を焼く時は、食べる用とは別に、生肉専用の箸やトングを用意しましょう。
まな板を用いる際も同様で、果物などのそのまま食べる食品に使う用と、肉や魚などに使う用で分けるとよいそうです。
さらに、生肉が触れた調理器具は、中性洗剤でよく洗い、消毒することを推奨しています。
熱湯で消毒する際は、ゆっくりかけたり、煮沸したりするとよいそうです。
また、調理器具を洗い終わっても、油断は禁物。生肉を触った手にも当然、菌は付きます。
手に付いた菌は水洗いだけでは落ちないため、石けんを十分に泡立ててからなじませ、流水でよく流しましょう。
菌やウイルスなどは、口以外にもさまざまな経路から体内に侵入します。直接口に入れなくても、菌に触れた手で鼻などを触り、体内に入ってしまったら、意味がありません。
調理中のみならず、調理後の対策もしっかりと意識し、安全においしい肉料理を作りたいものです。
[文・構成/grape編集部]