鬱を患う20代女性が安楽死を決意 「未知なる体験だから恐怖心も…」と心境告白

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「自宅で死ぬ予定。私の遺体は火葬してもらうつもり」と話した女性。安楽死を決意した理由と現在の心境について、『The Daily Star』『New York Post』など海外メディアが伝えている。

オランダで暮らす女性Aさん(28)が、安楽死することを決意した。年齢は若く、身体的には問題なく元気な状態。しかし長いあいだ鬱など精神疾患に苦しみ、死を選ぶことにしたのだ。
Aさんは自閉症で、境界性パーソナリティ障害も患っている。これまでも周囲の人たちには「もし状態が良くならなければ、生きていくのは無理」と、本心を伝えてあった。
それでも精神科医になる夢を持った時期があったというが、医師は「これ以上Aさんの症状改善のためにできることはない」と判断。それがきっかけとなり、Aさんは安楽死する決意を固めた。

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Aさんは猫2匹を飼っており、一緒に暮らす恋人(40)もいる。そんな彼らと暮らす愛の巣で、5月に永眠する予定を立てた。
Aさんは一部メディアの取材に応じ、「自宅で安楽死します」「(当日)音楽はかけない予定」とコメント。また死亡後については「遺体を火葬してもらいます」とも話している。
ただ覚悟は決めたものの、恐怖心は拭いきれないそうだ。今の気持ちについて「少し怖いですね」「まさに究極の未知なる体験ですから」「(死の)次に何があるのか、それとも何もないのか。それさえ分からないですからね」と述べた。

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最期の瞬間に向かうプロセスについて、Aさんは「まず医師がしっかり時間をかけてくれるんです」「(当日は)コーヒーを飲むなどしてリラックスした上で、心の準備ができたか聞かれます」「そのあとソファに移りますが、そこで先生が私の意思を再度確認します。それから(永眠するための)処置が始まり、医師に『良い旅を』と言われるわけです」と説明した。
また「だけど私は『安全な旅を』と言われるのは嫌。だって、どこかに行くわけではないんですもの」と話し、「『ぐっすり昼寝を』と言われるほうがいい」という希望も明かした。

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医療倫理学の専門家はメディアからの質問を受け、安楽死について「かつては究極の最終手段だった」とコメント。現状については「医師や精神科医により提案される、容認可能なオプションのようなもの」と説明した。
また精神疾患を抱える若者が安楽死を選択するケースに懸念を示し、「医療専門家が、以前よりも簡単に匙を投げるようになっているようだ」と述べている。

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