看板移設にキロポスト抜き取り、脅迫電話まで… 銚子電鉄が「撮り鉄」の迷惑行為に警告 警察に被害届も

3月29日に約8年ぶりの導入となる新車両の運行を始めた銚子市のローカル鉄道・銚子電鉄が、撮影マナーを守らない鉄道ファンに頭を悩ませている。キロポスト(距離標)の抜き取りや看板移設などの迷惑行為が起きていることから、X(旧ツイッター)や公式サイトで警察に被害届を提出したことを報告するとともに、マナーの順守を訴えている。
「撮影マナーをなぜ守っていただけないのでしょうか」「伐採やキロポストの抜き取り、警告看板の位置移動などの迷惑行為が発生し、警察に被害届を提出しています」
同社は3日、被害状況を写真とともにXに投稿。「列車の運行に支障がでたり、他の方に迷惑がかかることを看過できない為、誠に遺憾ですが警察と連携し、取締まりを強化せざるを得ません」と強い口調で警告した。公式サイトでも同様の警告を行っている。
同社によると、2月初めに新車両が同社に届くと、試運転の時間を問い合わせる電話が相次いだ。試運転に関する情報は非公開のため回答を差し控えていたところ、電話の内容は次第にエスカレートし、脅迫電話も寄せられるようになったという。
さらに、営業運転開始後の3月31日には、キロポスト1本が抜き取られ畑に捨てられていたほか、「立ち入り禁止」の警告看板が数メートル移動させられていたり、鉄道用地や民有地に勝手に侵入され草を伐採されたりする迷惑行為を確認。同社は「度が過ぎている」と判断し、警察に被害届を提出するとともに、Xやサイトで警告するに至った。
同社担当者は「過去にも撮影者による迷惑行為はあったが、ここまで激しいのは初めて」と困惑。「写真を撮ってもらうのは構わないが、やっていいことと悪いことがある。撮影マナーは絶対に守ってほしい」と訴える。
導入した新車両は、関西大手私鉄の南海電鉄から購入した中古車で2両編成。1969年の製造当時の塗装となる濃淡グリーンを再現しており、綱渡りの経営が続く銚電の「フラッグシップ車両」として注目されている。

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