暖かい日が増え、旅行や観光にはうってつけ。旅行の際、どのホテルに泊まるかは楽しみの一つ。
全国には様々なホテルが建ち並ぶが、ネット上では、一風変わったビジネスホテルが注目を集めていて…。
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ことの発端は、2月に投稿されたあるXユーザーのポスト。内容としては、コンテナ型のビジネスホテルの泊まり心地が抜群だったというもの。
コンテナ型のホテル、思わず二度見するが… 13年前の「開発エ…の画像はこちら >>
拡散された投稿を見ると、ブラックをベースにレッドをポイントとした、シックで落ち着いたカラーのコンテナの写真が添えられている。調べたところ、こちらは「HOTEL R9 The Yard(ホテル アールナイン ザ ヤード)」というホテルであることが判明。
関東から九州・沖縄まで全国77店舗展開している(2024年2月時点)。
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すでに、「コンテナホテル」の存在を知っていた人は多い様子。
ネット上では、「自分のテリトリーが完全に切り離されてるのはやっぱりなんとなくリラックスできる」「出張の時によく泊まってたけどこれはガチで良かった」「駐車場が近いのでバイクから荷物を下ろす時に往復しても苦にならない」など、宿泊時の快適さを絶賛する声があがっている。
件のホテルはいかにして爆誕したのか。運営会社の株式会社デベロップに取材したところ、様々な開発エピソードが明らかになったのだ…。
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株式会社デベロップは 2007 年に建築用コンテナモジュールの開発・製造会社として創業。その後、トランクルームを中心としたコンテナ建築を行う中で、住宅や店舗の建築も手掛けるようになった。
「コンテナホテル」を開発したのは、2011年の東日本大震災がきっかけだったという。
株式会社デベロップの担当者は、「東日本大震災の発災時には弊社の建築用コンテナを用いた備蓄倉庫(南三陸町)と復興従事者用の宿泊施設(石巻市)の建設に携わりました。その際、弊社代表の岡村自身が被災地の避難所を訪れた際、仕切りがなく、プライバシーが保てない体育館などの避難所で、多くの方が生活に負担を強いられている状況を目の当たりにし、衝撃を受けました。移動の容易さと居住性を兼ね備えた建築用コンテナであれば、迅速に被災地へプライベート空間を設置できると考え、『レスキューホテル』を着想しました」と説明する。
東日本大震災をきっかけにその仕組みを着想し、2018年12月に、コンテナホテル「HOTELR9 The Yard」1号店を栃木県真岡に開業した。
担当者は、「代表の『コンテナホテルを災害時により迅速に活用したい』という想いから、約5年で77 店舗2,696 室の圧倒的スピードでのホテル展開を行っています」と話す。
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13㎡のコンテナホテルの客室内には、シモンズ製ベッドを導入。ユニットバスや電子レンジ、冷凍冷蔵庫、電気ケトル、大型テレビなどビジネスホテルには欠かせない設備を完備している。
特に、コンテナという特性を生かした強みがあるようだ。担当者は、「コンテナ1台を1 客室とした独立構造のため、隣の音が気にならないプライベートが保たれた空間で快適にお過ごしいただけます。ビジネスホテルにいながらまるで自宅のような解放感でご利用いただけます」「また、客室を一歩出ると屋外なので、エレベーターがなく、客室と駐車場が近いのが特長です」と、説明する。
利用した客からの反応も良好だという。担当者からは、「HOTEL R9 The Yardシリーズの稼働率は80%(開業1年以上経過している店舗)、リピート率は約40%(自社調べ)と、多くのお客様よりご好評いただいております。お客様にとって『ちょうどいい』ホテルを目指して参ります」という笑顔のコメントが得られた。
旅行で宿泊先に迷った際は、ぜひ「コンテナホテル」を利用してほしい。
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斎藤聡人:1991年生まれ。『Sirabee』編集部記者。
某週刊誌の芸能記者を経て現職に。旧ジャニーズネタなど、芸能ニュースを中心に様々なジャンルを取材する。
チェーン店からローカル店まで様々な飲食店をめぐり、グルメ記事も手がける。仕事も兼ねた毎日のドラマ鑑賞が日課。