2024年1月、アメリカのペンシルベニア州でジェイコブさんとローラさんが雪道を車で走っていた時のことです。
2人の車の前に、リス科の生き物である、野生のウッドチャックが現れました。
広いアメリカでは野生動物と遭遇するのは珍しくありません。
しかし、時々つまずきながらよろよろと歩くウッドチャックを見て、「何かおかしいよね」と感じた2人は、車を降りてそのウッドチャックを保護したのです。
ジェイコブさんたちはウッドチャックを箱に入れて、野生動物の保護施設『レイヴン・リッジ・ワイルドライフセンター』に連れて行きました。
そのウッドチャックは背中の毛が抜けて皮膚がむき出しになっていたのだとか。
原因は疥癬(かいせん)というダニによって引き起こされる皮膚病で、体のあちこちにかさぶたやただれもできていたといいます。
また、低体重で脱水症状も起こしていて、いくつかの開いた傷もあったとのこと。
疥癬は毛が抜けるだけでなく激しい痛みと痒みをもたらし、動物を興奮させるため、そのせいで冬眠から早く目覚めてしまったと思われるそうです。
治療を始めると、数日後には疥癬の症状は少しずつ改善してきたといいます。
またウッドチャックは与えられた食事をもりもりと食べているそう。冬眠から覚めたばかりでお腹が空いていたのでしょう。
『レイヴン・リッジ・ワイルドライフセンター』が痛々しいウッドチャックの写真などを公開すると、ジェイコブさんとローラさんへの感謝の声が上がりました。
・走り去ることもできたのに、停まってこの子を保護してくれた2人に感謝するよ!
・かわいそうに。疥癬で感じる痛みや痒みは想像もつかない。早く治るといいね。
・優しい人たちに助けてもらえてよかった。心が温かくなったよ。
ウッドチャックはこのまま春まで『レイヴン・リッジ・ワイルドライフセンター』で世話をされた後、野生に帰されるそうです。
疥癬の不快な症状によって冬眠から起こされたせいで、このウッドチャックは体がとても弱っていたのでしょう。
もしそのまま放っておいたら疥癬はひどくなる一方だったと思われます。
偶然通りかかった心優しい2人に助けてもらえて、ウッドチャックは本当にラッキーでしたね。
[文・構成/grape編集部]