ANAが「次世代国内線フラッグシップ」として、「ボーイング787-10(国内線仕様)」を就航。この機は胴体の長さを特徴としていますが、これを上回るモデルはまだまだ存在します。
ANA(全日空)が2024年3月27日より、「次世代国内線フラッグシップ」として、「ボーイング787-10(国内線仕様)」を就航させました。この機はANAの主力機である787シリーズの最長胴タイプで、68.3mの長い胴体を持つのが特徴です。しかし、ANAの787-10を上回る長さのモデルは、まだまだ存在します。
旅客機の胴体は、長ければ座席数も多くすることができますが、長ければ長いほどいいわけではありません。その理由は席数が増えるほど、空席が増えるリスクがあるためで、小型化・多頻度運航がトレンドとなっている昨今、実は長い胴体のモデルは少数派になりつつあります。
「ANA次世代国内線フラッグシップ」の長すぎ胴体、世界的に見…の画像はこちら >>ANAのボーイング787-10国内線仕様機(乗りものニュース編集部撮影)。
2024年現在、実用化されている旅客機のなかでもっとも長い全長を持つのは、「ジャンボ機」として親しまれたボーイング747シリーズの最終派生型「747-8」です。その全長は76.3mにも及びます。ただこの機はそれ以前の747シリーズほどの需要は獲得できず、大韓航空、ルフトハンザ航空などごく限られた航空会社が使うのみで、なかなか気軽に乗ることができないモデルとなっています。
それに次ぐのが、1階建てながら、全長75.3mの全長を持ち、2011年に、ボーイング747-8がデビューするまで世界最長の飛行機だった「エアバスA340-600」です。この機は1階建てながらエンジンを4発装備しており、これゆえ経済性がネックとなってしまい、ヒット機にならなかったモデルです。こちらもルフトハンザ航空などが現在も運用しているものの、国内航空会社での導入はありません。
A340-600に次ぐ全長を持つのが「ボーイング777-300」です。その全長は73.9m。現在もJAL(日本航空)・ANA(全日空)の超距離国際線向け旅客機のひとつです(ともに航続距離延長タイプの777-300ER)。
また、ANAでは、前述の787-10国内線仕様機を、777-300国内線仕様機の後継に据えています。座席数を比較すると、777-300は514席、787-10は429席となっています。
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ボーイング747-8 インターコンチネンタル(画像:ボーイング)。
なお、777-300以降は73.7mの全長を持つエアバスA350-1000、そして総2階建てで72.7mの全長を持つエアバスA380が「長い旅客機」としてランクイン。ついで747-400など747-8以前の747シリーズ(70.6m)、そしてその次点で、787-10が全長の長い旅客機となっています。
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なお、このランキングを塗り替えてトップに立つ予定の「超ロングな機体」が、現在開発中の「ボーイング777X」の長胴型、「ボーイング777-9」です。
その長さは、1位のボーイング747-8の76.3mを上回る76.73m。日本ではANAが発注済みで、2025年度の就航を予定しています。ちなみにボーイングは、これよりもっと長い「777-10」も研究中としています。