山手線などJR車内モニターでオリジナル番組! 電車の中のテレビ局「TRAIN TV」開局

ジェイアール東日本企画による、電車の中のテレビ局「TRAIN TV」が4月1日に開局となる。週のべ8,400万人が利用する山手線をはじめとした首都圏のJR主要路線の車内モニターを使って、TVクオリティのオリジナル番組を放映していくという。都内でメディア向けに説明会が開催された。

○令和の街頭テレビを目指す

TRAIN TVでは「タイパ」「サイレント」をキーワードに「今だけ ここだけ 電車だけ」の新たな映像体験の提供を目指す。お笑い、ドキュメンタリー、豆知識・教養、グルメ、コスメといったカテゴリのほか、TikTokとの連動企画、人気プラットフォームとのコラボ番組なども予定している。なお音声は出せないため、いずれもサイレント動画となる。

ジェイアール東日本企画 代表取締役社長の赤石良治氏は、そもそも山手線の車内モニターに映像を流し始めたのは2002年のことでした、と振り返ったうえで「当時としては画期的な車内メディアでしたが、あれから22年が経ち、いま皆さんは手元のスマートフォンをご覧になっています。車内モニターには、現在もニュース番組やクイズなどを配信していますが、CMの比重も高い。そこで番組編成を刷新して、新たにTRAIN TVを開局します」と説明する。

「私も根っからのテレビっ子。半世紀前に、我が家にカラーテレビがやって来たときの感慨を思い出します。現在は、皆さんもっとパーソナルな環境で個別に動画を楽しんでいらっしゃいますが、そういった面では、電車内にいらっしゃる方が皆んなで一緒にテレビを楽しむ、いわば”令和の街頭テレビ”のようなシーンが実現できればと考えています」(赤石社長)

ここで2024年春の番組ラインナップについても紹介があった。HIKAKINが乗客に様々なチャレンジを仕掛けていく「ヒカキンからの挑戦状」、人気お笑いコンビがサイレントな笑いに挑戦する「チョコプラEX(エクスプレス)」、思わず人に話したくなる世界中のひらめきを紹介する「松丸亮吾のひらめきニュース」といったバラエティ番組のほか、TRAIN TVに賛同した企業とのコラボ番組も放映。たとえばマイナビとのコラボでは、若者の”気になること”について調査し、世代を代表する出演者たちが語る。なお、ひと番組の尺は60秒で制作。たとえ乗車時間の短い人でも、ひと番組を見終わることのできる長さに配慮した。

このあと、TRAIN TVで番組を配信するHIKAKINさん、チョコレートプラネットの長田庄平さん、松尾駿さんが登壇してトークセッションを行った。

HIKAKINさんは「YouTubeを20年くらいやってきましたが、無音の動画は1度も作ったことがありません。でも(声を出さないでも伝わる)変顔はやってきたので、そこは得意かも」と話す。すでに『ヒカキンチャレンジ 30秒以内に山手線全線の駅名を言い切れ!』を撮り終えており、「身体を大きく動かす、オーバーなリアクションを心がけました」と笑顔で話す。

チョコプラの長田さんは、音が出せない条件下でどんな動画を作っていけば良いのか、まだ思案中だという。「サイレント映画のチャップリンを思い出しました。ああいった時代の映像がヒントになるのかも。そもそもボクたちのYouTubeチャンネルは実験的な動画が多いので、TRAIN TVでも試しながら動画を作っていきます」。一方で、松尾さんは「わたしはしゃべりが上手くなくて、これまで顔の表情や動作でごまかしてきたんですが、それが役に立つかもしれません。でもIKKOさんのモノマネは声が似ているから面白いのに、そこが伝わらないのはつらい(笑)」。

4月1日の放映開始に向けて、HIKAKINさんは「何分かに1回、車内モニターに流れる小さなHIKAKINが色んなチャレンジをしていますので、注目してもらえたら」とし、長田さんは「テレビ、YouTubeとは違うコンテンツを見ることができます。『なんか馬鹿なことやっているな』という感じで笑ってほしい」、松尾さんは「TRAIN TVということで、これはTT兄弟のテレビです。ここでテッペンをとりたいと思いますので、楽しんでください」と話していた。

近藤謙太郎 こんどうけんたろう 1977年生まれ、早稲田大学卒業。出版社勤務を経て、フリーランスとして独立。通信業界やデジタル業界を中心に活動しており、最近はスポーツ分野やヘルスケア分野にも出没するように。日本各地、遠方の取材も大好き。趣味はカメラ、旅行、楽器の演奏など。動画の撮影と編集も楽しくなってきた。 この著者の記事一覧はこちら

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