立ちんぼ3人は、1回当たり、およそ1万5000円で売春を繰り返していた。
大阪市北区の「アメリカン通り」と呼ばれるラブホテル街で、今年2~3月にかけて売春目的で客待ちをしたとして、19歳と27歳の無職と、22歳の風俗店従業員の女3人が21日までに売春防止法違反の疑いで府警保安課に逮捕された。
「客引き行為でしょっぴかれへんように、女の方から声を掛けることは絶対になく、スマホを見ながら“ナンパ”されるのを待つんや。買う方もそのあたりは分かっとるから、好みの女を見つけて話しかけ、『ほな1.5で』いうて、そのまま恋人を装い、手をつないでラブホに入るんや」(捜査事情通)
府警は今年2月、「売春目的の客待ちは違法」と書かれたポスターをラブホ街に掲示。路上に座り込んで客待ちをする女や、客の姿を描いたピクトグラム(図記号)を設置した。その甲斐あってか、昨年夏のピーク時には25人が同時に客待ちをしていたが、最近は昼間の「立ちんぼエリア」は閑散とし、夜になっても多い時で5人ぐらいに激減した。それでも府警は定期的に視察、内偵を続けていた。
逮捕された3人はそれぞれ動機について、「ホストクラブに通うため」「生活費に充てていた」「美容整形に行くための費用が欲しかった」と話しているという。
3人のうち1人は11カ月間で約4000万円を荒稼ぎしていた。ザッと計算すると1日8人、1カ月で240人のハイペースで計2666回、客を取っていたことになる。
「その女はホンマ、よう覚えとったわ。多い時で1日15人とやっとったそうや。1人1回1時間やけど、20分ぐらいで終わる男もおるから数をこなせたんちゃうかな。風俗嬢は店に籍があるというだけで、ほぼ立ちんぼで稼いどった。1度、立ちんぼをやりだすと、店に所属しとるんがアホらしくなるらしい。売り上げの一部を店に渡したり、常に客を取れるわけでもない。税金やって払ってへん。好きな時に自由に客を取れて相手だって選べる。とにかく手っ取り早く、効率的に稼げるからな」(捜査事情通)
27歳の無職の女は調べに対し、「立っていたのは、私の分離した人です。『私の中にいる誰か』が立ちました」と供述しているそうだが、需要がある限り、また「分離した誰か」が現れるかもしれない。