昨年11月に肝内胆管がんのため亡くなった直木賞作家の伊集院静さん(享年73)のお別れの会が18日、東京・東京会館で開かれ、妻の西山博子(元女優・篠ひろ子)さん(76)が伊集院さんとの思い出を披露した。
同会には芸能界、文学界、政財界、スポーツ界など幅広いジャンルから400人参列。祭壇には、本人がお気に入りだった、イタリア・ミラノにあるサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会で絵画「最後の晩餐」とともに撮られた写真が飾られた。
博子さんは、司会の阿川佐和子(70)との対話形式で15分間あいさつ。「東京の方の家でメモ書きが見つかりまして。『お別れの会やるのは勝手だが、家族に迷惑はかけるな』って。私、いらなかったのかしら」と苦笑い。「当初、結婚生活は3年だって言われました。女の人との付き合いも普通は3年ほど(で終わる)という理由で。それが、31年続きましたね」と懐かしそうに振り返った。一方で「肝心なところで優しい、不思議な人。私たちと違う道を一人で歩いているので入り込めない」とも。「つらい経験が、そうさせたのかなと思う」と付け加えた。
ある時、博子さんは伊集院さんに「悲しい時、どうやり過ごしたらいいですか?」と質問した。返ってきた答えは「知らん顔するんだよ」だった。「だから(伊集院さんが)亡くなってから4か月、ずっと知らん顔してました」。最後は「私は大丈夫。一生懸命に生きて、今度はあなたに会いに行きます」。亡き伊集院さんへの、力強いメッセージだった。(樋口 智城)
近藤真彦(タレント、ヒット曲『ギンギラギンにさりげなく』などを作詞)「僕の人生の節目に必ず現れ、アドバイスをいただいた。『何があっても扉をたたき続けなさい、歌い続けなさい。そうすれば分かることある』と。時に兄貴でもあり、時に父親。一言一言を(か)みしめて生きたい。とにかく『ありがとうございました』と伝えたいです」
みのもんた(タレント、立教大OB同士で交流)「好みのタイプのママが共通していて、よく行く店で一緒になった。全く暴飲はしない。カウンターで飲むのが似合う男でかっこいい。(早い別れとなり)残念です。神様っていじわるだ。魅力のある人でした。惜しい、本当に惜しいね」
武豊(騎手)「人との接し方、あいさつ、マナー、お酒の飲み方、ゴルフ、競輪。競輪の当たり方は教えてくれなかったんですけど、いろいろなことを一から教えていただきました。一番言っていたフランスの凱旋門賞を勝つ姿を、いつか見ていただきたかった。伊集院さんは、今も見守ってくれていると思います」