福井銀行は、セブン銀行 第4世代ATM(以下、新型ATM)を活用した「+Connect」(プラスコネクト)サービスの「ATM窓口」を3月18日より提供開始した。福井銀行本店ビルでは同日、メディア説明会が開催されている。
○■ATMが手続きの窓口に
+Connectとは、セブン銀行が銀行やノンバンク、事業会社、行政など幅広い業界に向けて提供している各種サービスの総称。同社では「ATMが、あらゆる手続き・認証の窓口となる」世界を目指している。+Connectの機能の1つ「ATM窓口」では、銀行口座に紐づけている住所・電話番号の登録変更など、これまで銀行の窓口でなければ対応できなかった諸手続きを新型ATMで処理できるのが特徴。すでに静岡銀行、群馬銀行、北陸銀行などの金融機関が導入済みで、福井銀行は7行めの対応となる。
セブン銀行では今後、日本全国に約27,000台以上設置している同社ATMを、すべてこの新型ATMに置き換えていく。ちなみに福井県内では、すでに全台(146台)の置き換えを完了したという。
新型ATMは2画面一体型のディスプレイを搭載しており、大きな文字とアニメーションを表示可能。機械の操作に不慣れなシニア層にも使いやすい設計になっている。
メディア説明会で、セブン銀行 代表取締役社長の松橋正明氏は新型ATMの稼働状況について「全国の設置台数は2024年2月末時点で2万7,370台となりました。福井県でも、非常にたくさんのお客様にお使いいただいている状況です」と説明する。
今後、+Connectでは口座開設、ローン申込などの機能拡充を予定している。松橋氏は「お客様に便利に使っていただけるサービスをどんどん追加していけたら。福井銀行様、パートナーの皆さまと一緒になって、地域の発展に貢献するイノベーションを起こしていきます」と説明した。
また福井銀行 代表取締役頭取の長谷川英一氏は「私たちは福井県内をはじめとする地域にお住まいの方がたに向けて、地域に根ざした銀行業務を行ってきました。ただ昨今、銀行の有り様も変化しつつあります」と切り出す。
「従来の銀行は、いわば『金融商品販売業』でした。これを私たちは『地域にお住まいのお客様の課題解決業』に再構築していきたいと考えています。従来の入金、出金、振り込み、各種届け出については、今後もお客様の利便性を損なうことのないようにしながらも、できるだけデジタルも活用し、銀行側の生産性向上もはかっていきたいと考えております」と長谷川氏。
具体的には、アプリ、インターネットバンキング、電子決済など非対面チャネルの取り組みを広げていく。ただ「現金が使いたい、インターネットで金銭のやり取りを行いたくない、というお客様もいらっしゃいます。そこでATMが重要なチャネルになります」と長谷川氏。今後もセブン銀行と共同でサービスを拡充していくことで「人の安心感とデジタルの利便性を両立したい。最適な組み合わせを模索しながらやっていきます」と説明した。
近藤謙太郎 こんどうけんたろう 1977年生まれ、早稲田大学卒業。出版社勤務を経て、フリーランスとして独立。通信業界やデジタル業界を中心に活動しており、最近はスポーツ分野やヘルスケア分野にも出没するように。日本各地、遠方の取材も大好き。趣味はカメラ、旅行、楽器の演奏など。動画の撮影と編集も楽しくなってきた。 この著者の記事一覧はこちら