葛飾北斎が描いた“江戸の芸能”企画展 19日から開催!「勝川春朗」名でデビュー時の希少な役者絵なども展示

世界的に有名な浮世絵師・葛飾北斎のデビュー時の貴重な役者絵などを集めた企画展が東京・墨田区の専門ミュージアム『すみだ北斎美術館』で19日から始まった。初展示の作品も含まれており、海外にも広がる昨今の北斎ブームのなかで希少な展覧機会になりそうだ。
企画展は「歌舞音曲鑑(かぶおんぎょくかがみ) 北斎と楽しむ江戸の芸能」。北斎は有名な代表作「冨嶽三十六景」シリーズを発表する約50年前、19歳で浮世絵師・勝川春章に入門。その翌年から「勝川春朗」の名前で歌舞伎の役者絵などを発表しているが、今回の企画展ではその頃の18点が展示される。デビュー当時に発表した歌舞伎役者の錦絵は残っている数が少なく、まさに貴重な作品群。企画展の内覧会で澁谷哲一館長は「今年で開館8年目。昨年は総入館者数100万人を達成し、前の企画展でも約3万人にお越しいただいた。ここにきて様々な北斎人気が高まっている」とブームの実感を口にした。
今回の企画展は、北斎が描いた江戸の芸能をモチーフとした作品を数多く紹介。勝川派離脱後に描いた音曲や舞踊など芝居に関連する作品も展示している。特に、完全な形で残っていることが少ない音曲などの披露会案内状として作られた摺物(すりもの)24点は必見。さらに、北斎が描いた「雀踊り」や踊りの教則本として描かれた絵手本「踊独稽古」の「悪玉おどり」をアニメーション化した映像も見ることができる。来場者にはスマートフォンを使って手の甲に現れる「悪玉おどり」を、AR(拡張現実)で楽しめるカード「悪玉おどりを連れて帰ろう」が枚数限定で無料配布される。企画展は5月26日まで。

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