YouTubeでの暴露投稿で俳優・綾野剛(42)ら4人を脅迫したなどとして、暴力行為法違反(常習的脅迫)など5つの罪に問われた元参院議員のガーシー(本名・東谷義和)被告(52)に東京地裁は14日、懲役3年、執行猶予5年(求刑懲役4年)の判決を言い渡した。
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ガーシー被告の判決について、元東京地検特捜部副部長の若狭勝氏は「予想通りで、妥当な結果だと思います」と感想を述べた。
若狭氏はまず「常習的脅迫は反社会勢力の人が適用されることが多いもので、実刑になることもあり得た」とした上で「検察側が求刑した懲役4年は『実刑事案ですよ』というアピールだった」と指摘。それでも執行猶予が付いたのは「事実を認め、反省の言葉を繰り返し述べていたこと、前科がないことなどから、更生の可能性が高いと判断された」と、理由を説明した。
一方で「法的には執行猶予は5年がマックスで、執行猶予がつく懲役も3年がマックス。双方で一番重い判決になったことは、裁判官も実刑か執行猶予かで思い悩んだことがうかがえる」とも。裁判官にとってはギリギリの判断だったことを示唆した。
◆ガーシー被告の参院当選からこれまで
▼2022年7月10日 参院選比例代表で初当選
▼10月3日 参院が登院要請
▼12月24日 警視庁が任意の事情聴取を要請
▼23年1月30日 参院が74年ぶりに国会出席を促す「招状」を出す
▼3月15日 参院本会議で除名
▼16日 警視庁が暴力行為法違反容疑などで逮捕状を取得
▼4月13日 国際刑事警察機構(ICPO)を通じて国際手配
▼6月4日 滞在先のアラブ首長国連邦(UAE)から帰国し、警視庁が逮捕
▼24日 証人威迫容疑で警視庁が再逮捕
▼9月19日 東京地裁の初公判で起訴内容について「間違いありません」と述べ、弁護側は一部否認
▼21日 東京拘置所から保釈。保釈保証金は3000万円
▼24年3月14日 東京地裁が懲役3年、執行猶予5年の判決