文明堂カステラに書かれた3つの数字、一般常識と思いきや… 衝撃のカルチャーギャップが話題

優れたCMというのは、目だけでなく耳でもよく覚えているもの。なぜか頭の中に「懐かしのCMソング」がエンドレスで流れ始めた経験はないだろうか。
X上では、そんな定番のCMソングを持つ「文明堂」に対するカルチャーギャップが話題となり、トレンドに急浮上する事態を見せた。
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今回注目したいのは、Xユーザー・やきいもボーイさんが投稿した1件のポスト。
こちらのポストには、かわいらしい仔グマのイラストが描かれた文明堂『おやつカステラ』のパッケージ写真が添えられており、見ているだけで口内にカステラの味わいが広がってくる…。
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しかし、ポスト本文には「かわいいいから買ったんだけど、横に書いてある123ってなに」と、衝撃的な1文が綴られていたのだった。

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パッケージ側面にはカステラ、黒電話、3時を指した時計のイラストが描かれており、それぞれ数字の1、2、3が対応するデザインとなっている。
こちらを見て、即座に「カステラ一番、電話は二番」でお馴染みのCMソングを連想したネットユーザーも少なくなく、同ポストには「えっ、あのCMって全国区じゃなかったの?」「もうこのCMを知らない世代が出てきたってこと…?」など、驚きの声が多数寄せられる事態に。

なお、ポスト投稿主・やきいもボーイさんは岩手県出身で、前出のCMソングを全く知らなかったそうだ。
同ポストは投稿から数日で1万件以上ものリポストを記録し、ポスト投稿の翌日2月28日には「文明堂のCM」がXトレンドに浮上するほどの盛り上がりを見せた。
そこで今回は、カルチャー(ジェネレーション)ギャップで人々に衝撃を与えた件のCMソングの詳細を探るべく、株式会社「文明堂東京」に話を聞いてみることに。
その結果、衝撃の事実が多数明らかになったのだ…。
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可愛いから買ったんだけど横に書いてある123ってなに pic.twitter.com/krwdMCjlTq
PIZZA BOY(やきいもボーイ) (@boyboyboy2019) February 27, 2024
文明堂の歴史は古く、今から100年以上前の1900年(明治33年)に、長崎県にて「文明堂」が創業される。
その後は地元・長崎で努力を重ね、苦難を乗り越え、1922年(大正11年)に東京への出店を実現。日本の百貨店初となる「実演販売」や「増量サービス(おまけ)」といった画期的なアイデアを導入し、大きな人気を博していく。

そして1937年(昭和12年)に満を持して誕生したのが、文明堂を象徴するキャッチフレーズ「カステラ一番、電話は二番」なのだ。しかし「電話は二番」というフレーズを聞いても、ピンと来ない人が大半だろう。
こちらの疑問について、文明堂は「電話が普及し出した1890年代は、電話と電話の間に『交換手』と呼ばれる人物がいて、その交換手が相手に繋げてくれることによって、やっと通話ができました。電話機の受話器をあげると交換手に繋がり、『新宿の○番のAさんに繋げてください』と通話先の交換手に伝えると、Aさんに繋いでもらえる…という仕組みでした」と、説明する。
ガラケー、スマホ世代の我々からすると信じがたい手間だが…察しの良い読者は、このエピソードを聞いただけで閃いたのでは。そう、文明堂はこの「○番」に当たる番号が「2番」だったのだ。

さらには、各地域の電話局の「2番」を買い揃え、電話帳にも同キャッチフレーズを大きく打ち出した広告を掲載するという、もはや「執念」を感じさせる徹底ぶり。かくして「文明堂=二番」というイメージは、狙い通り見事に浸透していくのだった。
なお、現代の文明堂にも同施策の名残が見られ、店舗や工場等の電話番号の下1桁では「2」が使用されているというから驚きである。
ちなみに、文明堂の担当者は「『三時のおやつは文明堂』のフレーズにつきましては、一般消費者からの標語募集で決定いたしました」とも補足している。

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そして時は流れ、世の中の広告は「テレビ」へとシフトしていく。
お馴染みの「仔グマ」が登場するテレビCMは1962年(昭和37年)から放送開始となり、当時の様子について文明堂の担当者は「関東圏のほか、北海道放送でも放送されていました。その後、仙台放送や青森放送での放映もありました」と、振り返る。

稀に全国放送でも流れるケースもあったそうだが、基本的には関東圏で放送されるCMだったため、今回のように地域ごとのカルチャーギャップが浮き彫りになったものと思われる。

さて、ここまで記事を読み、気づけば文明堂のカステラが無性に食べたくなってきた…という人も多いのではないだろうか。かくいう記者も、その1人である。
そんな同社のカステラの魅力について、文明堂の担当者は「添加物を使わず、ひとつひとつ職人の手で焼き上げ、美味しさと品質を守っています。伝統的な製法はそのままに、時代に合わせてより楽しんで頂けるようにリニューアルを重ねています」と太鼓判を押す。

また「かつては、カステラと言えば贈答用のお菓子というイメージがあったかと思いますが、現代ではそうした機会に限らず、身近な人へのちょっとしたプレゼントやご自身用として喜んで頂ける機会も多くなりました」とのコメントが得られたのだった。

文明堂のカステラを味わう際は、ぜひCMソングを口ずさんでみてほしい。

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秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。
新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力と機動力を活かして邁進中。
X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテ、ハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。

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