「いまが正念場」室町時代から続く輪島塗の職人が新潟に 約600点の作品を展示・販売

新潟市のデパートで13日、能登半島地震で被災した輪島塗の職人による展示・販売会が始まりました。輪島を離れている職人たちのために、輪島塗の伝統を守るために、職人が店頭に立っています。

【松村道子キャスター】
「約600点の輪島塗の作品が展示・販売されています。これらはすべて地震の大きな被害を何とか免れたものです」

丈夫さと優美さを兼ね備える石川県の伝統工芸・輪島塗は、すべて手作業で20以上の工程を踏むため、制作に年単位の時間がかかることもあります。

【有志の会「輪島の未来のために」古込和孝代表】
「職人が被災しているので、職人に次の仕事と仕事ができて安心して帰ってきてもらう状況を作ろうと今回企画した」

現在、職人の多くが石川県の内外に2次避難していて、こうして販売会を開くことは職人の仕事を絶やさないためにも大きな意味があるといいます。

店頭に立つ職人の一人・池端龍司さんは、地震で、肩の骨を折る重傷を負いました。

【わじま龍作 池端龍司社長】
「数秒遅かったら、つまずいていたら僕の工房は1階が(つぶれて)まるでないので、その下敷きになっていた。本当にギリギリでした」

今回、販売しているのはすべて倒壊した工房から引き出した作品です。

【わじま龍作 池端龍司社長】
「本当にいい機会をいただいてずっと地元の倉庫にいるが、倉庫にいるとなかなか前向きな気持ちになれないが、こうやって出させてもらうのはうれしい」

自分用に箸を購入した客は。

【客】
「長い目で見て、緩やかに応援できるのは少しでもこんなことかなと感じている。頑張ってほしい」

【塩安漆器工房 塩安眞一代表】
「ありがたい物を買っていただくと職人も次を作ろうと思ってくれると思う。それが一番ありがたいんです」

室町時代から続く輪島塗の伝統をつなぐために、今が正念場だと話す職人たち。

【有志の会「輪島の未来のために」古込和孝代表】
「毎日売り場に立つことによって、周りの仲間たちに外の人はこんなに応援してくれているということを小さくてもいいので、たくさん話題作りをすることで少し勇気をもってもらえると思っている」

展示販売会は3月19日まで開かれています。

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