国立劇場おきなわの公演記録鑑賞と講座「からくり花火-琉球と近世日本-」が2月15日、同劇場で開かれた。講座終了後は、琉球王国時代に中国からの冊封使歓待時に首里城の御庭で披露された、からくり花火「玉火」(からくり製作・金城裕幸、花火構成・金城義信)が復元・披露された。次々と開くからくりと花火に、受講者から歓声と拍手が湧き起こった。
からくり花火の復元は、尚家文書「火花方日記」を基に行われてきた。同劇場は2019年度から毎年度、1基ずつ復元を行い、今回の「玉火」の披露に伴って5基全てが復元された。
「玉火」は、上部の灯籠部分に子孫繁栄の象徴とされるブドウとリスが描かれ、その下に水面を跳ねるコイが描かれている。点火後は十二支と方位の書かれた円盤が姿を現し、そこから縁起物や宝物が出てきて、コイが龍に変わる。
復元・実演された琉球王国時代のからくり花火「玉火」=2月15日、浦添市・組踊公園
からくり花火の研究・復元に携わってきた同劇場の茂木仁史調査研究専門嘱託員は点火を終え「からくり花火を実際に復元して火を付けると、毎回こちらの予想を上回る驚きが待っている。今回が一番驚かされた」と成功を喜んだ。
5基のからくり・仕掛け製作に関わった金城裕幸は「5基の中で一番難しかった。当時作っていた人たちのすごさを感じる」と先人への思いを語った。同じく5基の花火を構成した金城義信は「からくりが順番に開くように導火線を配置するのに悩んだ。もらい火をすることなく、うまく付いて良かった」と話した。コイが龍に変わる からくり花火「玉火」復元 製作者「当時の人…の画像はこちら >>復元・実演された琉球王国時代のからくり花火「玉火」=2月15日、浦添市・組踊公園”>