「完敗です」大谷選手の結婚はなぜ週刊誌にスクープされなかったのか 週刊誌記者が明かす大谷翔平の“人間力”と変わりつつあるハリコミ・タレコミ事情

日本列島が祝福ムードに包まれたドジャース・大谷翔平の結婚発表。これほどメディアに注目されていながら、これまでノースキャンダルということもあり、SNSでは称賛の声も相次いだ。なぜ週刊誌は一度も「野球界の大スター」の私生活に迫れなかったのか? その理由をベテラン週刊誌記者に聞いた。
ベテランカメラマンの男性は“大谷翔平、結婚”のビッグニュースにこう唇を噛みしめる。「いやー、SNSで大谷くんの結婚を知ったときは驚いたと同時に、『やられた……!』という気分です。完敗です。『野球選手と芸人はよく遊ぶ』なんて言われていて、以前は球場から出てくるプロ野球選手をよく追いかけたもんですが、大谷くんが日ハム時代、遊んでいる姿はまったく見たことがなかった(苦笑)。だって彼、遠征先では、ホテルに戻ったらそこからまったく出てこなかったんですよ」プロ野球選手がよく遊ぶのは、赤坂や西麻布といった繁華街エリア。都内に遠征に訪れたチームの場合、球場から一度ホテルに戻ったのちに先輩選手がチームメイトを引き連れて、高級クラブやアテンダーのいるバーに行くことが多いというが、大谷はそういった“色酒”とは無縁だったようだ。コロナ禍真っ只中の2020年3月に、クラスターが起きた30人以上の規模の合コンに参加していた、同い年でかつての高校野球界のスーパースター、藤浪晋太郎(メッツ)とは対照的といえるだろう。
ドジャース・大谷翔平(写真/共同通信社)
「もちろん大谷くんは入団当時から二刀流で注目を集めていたし、週刊誌をはじめとしたメディアには追いかけられていました。だから当然、上司にも『大谷を撮ってこい』と言われて球場には出向くのですが、収穫はゼロ。当時の日本ハムの栗山英樹監督は、寮を出る際は外出許可申告制にして厳しく私生活を制限していたらしいですからね」(同)監督だけではなく、球団側からも“日本球界の至宝”として手厚く守られていたようだ。「当時の球団関係者いわく、『大谷くんも遊びたいだろうけど、彼を“傷もの”にしないためにも、遠征の際はホテルにカンヅメにしている』とのことでした。自分もプライベートの大谷くんを見たのは一度きりで、赤坂の料亭に行ったときのこと。球団関係者らしき男性5、6人と出てきただけで女性の影は一切なかった。大谷くんはそこでも大人気で、彼を見送ったあとの仲居さんも『やっぱりいい男だわ~』と漏らしていました」
週刊誌で芸能スクープを数々とってきたベテラン記者も、今回のサプライズ結婚には舌を巻いたという。「日本にいたころから彼を追ってきましたが、スキャンダルはおろか、チームメイトと遊んでいる姿もいっさい見たことがありません。メジャーへ行く前に一度だけ、よく芸能人やアイドルが集まるラウンジに『大谷くんが来る』という情報があったので張ってみましたが、別の野球選手は何人も来たのに大谷くんの姿はなかったですね。おそらくアテンダーが大谷選手を“エサ”に女性を集めていたのでしょう」この記者は大谷が渡米後、現地で日本人が集まるラウンジやバーなどを聞いて回ったというが、浮ついた話はここでも一切なし。くわえて最近では“週刊誌の資金力不足”も逆風となっているという。「ひと昔前の週刊誌なら、渡米してでも彼の取材を続ける記者はいたかもしれない。でも今の週刊誌は人件費や経費にそこまでの余裕がない。それどころか、国内のスキャンダル取材でも、相当なアテがないかぎりはろくに張り込みもできなくなった。土地勘もなく、現地の警察に怪しまれる可能性も高い海外だと、なおさら難しいですね」
直撃取材の際に使用するICレコーダー
反面、現在、週刊誌業界の情報源はタレコミによるものが多くなっているという。記者は「それが逆に今の週刊誌の弱さだ」とこぼす。「みなさんよく勘違いされますが、タレコミに対して週刊誌側が大金を支払うことは今の時代ほとんどない。それなのになぜタレコミがあるかというと、単純に怒り、恨みや妬みによる部分が大きい。特に“熱愛”ネタは有名人のお相手側が周囲にひけらかして、ひんしゅくを買ったり、ひどいフラれ方をした元恋人が直接タレこんできたり、デートで訪れた店やタクシーで横柄な態度をとったことから、店主や運転手が情報提供をしてくる場合もある。大谷くんに関しては、そういった類のタレコミは一切なかった。つまり、それだけ周囲に恨みを買っていない証拠です。そして“タレコミ至上主義”となっている今の週刊誌において、彼のような人物の情報をキャッチするのは極めて難しくなっているということです」スクープ記者にとって大谷は“最も割が合わない”対象といえそうだ。取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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