能登半島地震により校舎が被害を受けた新潟市西区の新潟工業高校。3月2日、市内の施設に会場を移して卒業式が行われ、生徒からは感謝の思いがあふれました。
【新潟工業高校 孫田蒼依さん】
「このような立派な会場を確保していただき、卒業式を開催していただいたことにお礼申し上げます」
このような言葉で始まった卒業生代表の挨拶。
新潟工業高校の卒業式は地震の影響から新潟テルサを会場に移し行われました。
地震後2週間が経った1月15日に授業を再開した新潟工業高校。
【新潟工業高校 竹田直人 校長】
「液状化で場所によって沈んだり、柱が下がったりして、その部分が少し下がる」
壁と床の間にも10cm近い隙間ができ、学校は、大勢が一斉に体育館に集まることは難しいと判断。学び舎での卒業式は叶いませんでした。
1月中は分散登校を余儀なくされ、学び舎での時間を十分に持てなかった3年生ですが、卒業式では周囲への感謝の思いがあふれました。
【卒業生】
「本当なら学校でやりたかった。思い出がいっぱいあるので。でも、しょうがないかなと思っている」
【卒業生】
「自分の学校で行えなかった点は少し残念だけど、この会場でも卒業式が行えたということが本当にうれしい。(母へ)3年間、迷惑しかかけてこなかったが、ありがとうございますという感謝の気持ちでいっぱい」
【母親】
「社会人として立派に育ってほしいと思う。頑張れ」
【卒業生】
「頑張ります」
【卒業生】
「先生たちありがとう」
一方で、前向きな生徒たちの姿に学校側も感謝を抱いていました。
【新潟工業高校 竹田直人 校長】
「卒業を目前にして、地震により登校できない日々が続いたが、常に前を向き、明るい笑顔で元気に頑張ってくれた皆さんの姿にどれだけ勇気づけられたかわからない」
元日の地震で形を変えざるを得なかった卒業式ですが、無事にこの日を迎えた喜びは275人の卒業生の心に残り続けます。