元外資系保険会社の社員の男はウソ八百を並べ立て、マッチングアプリで出会った女性や顧客10人から1億円をだまし取っていた。
「結婚後の税金対策」とウソを言って、交際中の30代女性医師から現金700万円を詐取したとして、東京都中央区湊の宮山翔吾容疑者(32)が先月28日、詐欺の疑いで警視庁麹町署に逮捕された。
宮山は2020年8月、マッチングアプリで知り合った女医に「慶応大学を卒業していて、祖父が資産家で渋谷区松濤に土地があり、将来一緒に住めるように新築の家を建設している」「結婚後の税金対策で実家に1000万円を入れてもらいたい」「贈与税や相続税対策として、欧州復興開発銀行の債券を購入してほしい」と言って自身の銀行口座に700万円を振り込ませた。宮山は21年7月までに、この女性から2500万円を巻き上げていた。
調べに対し、「株の運用に充てていた。ほかにも女性医師ら10人ぐらいから、1億円をだまし取った。いずれ返せばいいと思っていた」と供述しているという。
勤務先の保険会社が警視庁に「元社員が架空投資名目の詐欺をしている」と被害届を出したことから、事件が発覚。保険会社は昨年5月、宮山を解雇した。
宮山はマッチングアプリのプロフィルに<幼稚舎から慶応><UCLAでMBAを取得して、米国の金融機関に勤めていた>と虚偽の経歴を並べ、「祖父は不動産会社の社長で、国内外に不動産を所有している。結婚後は家を建ててくれることになっている」などと口から出まかせを言って複数の女性と同時に付き合い、結婚をほのめかして多額の現金を引っ張っていた。
「マッチングアプリのほか、仕事で知り合った取引先の相手からも、投資名目で現金を詐取していた。会社の内部調査で次々と被害が明らかになった。資産のありそうな女性を見つけては、片っ端から口説き落としていたようです。被害女性10人のうち3人は医師です」(捜査事情通)
宮山は保険会社をクビになった後も、隅田川やスカイツリーを一望できる高級タワーマンションに住んでいた。分譲価格は約70平方メートルの2LDKタイプで2億円強の“億ション”だ。
タワマン住まいと大手外資系保険会社勤務の肩書は「ホンモノ」だっただけに、女性たちもコロッとだまされてしまったのだろう。