特殊詐欺から救ったコンビニ店長の”とっさの判断” 夜中にパソコンから鳴り響いた警告音…止めたければ5万円と要求が

特殊詐欺被害を未然に防いだとして、愛知県みよし市にあるコンビニエンスストアの店長に3月1日、警察から感謝状が贈られました。
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被害者と店長の証言から明らかになった、当時の状況とは…
1月24日、みよし市内の40代男性の自宅で、パソコンから大きな警告音が流れ出した。時刻は夜10時過ぎ。パソコン画面はロックされて動かず、警告音とともに「ここに電話してください」との音声も流れてきた。
本件とは別の被害者に表示されたサポート詐欺画面 愛知県警提供
「周りに迷惑がかかるので、とにかくパソコンから流れる音声を止めたかった」。
男性が画面に表示された電話番号に連絡すると、出たのは片言の外国人。だが、話し方は丁寧で本物の業者のようだったうえ、パソコンも海外メーカーのものだったため、不思議には思わなかったという。
電話口で、パソコンの修理代として金を支払うよう要求された。「保証期間が1年なら5万円、2年で7万円、永年で10万円」だという。とにかくパソコンから流れる音声を止めたい、その一心で男性は一番安い5万円を選んだ。
その後、電話をつないだまま、コンビニでアップルカードを5万円分買うよう指示された。「100パーセント信用しており、疑わなかった」と男性は振り返る。
みよし市のローソン三好上ヶ池店。1人で店番をしていた店長の關一光(せき・かずみつ)さんは、店内に入ってきた男性を見て「おかしい」とすぐに思ったという。男性は慌てた様子で、電話で指示を受けながらギフトカードを探していた。
日頃からギフトカードの高額購入などには警戒しているという關さん。5万円分を購入しようとしていた男性に携帯を置くよう声をかけて、「それは詐欺です」と伝えた。男性は驚いていたが、電話から離れたことで冷静になり、すぐに詐欺だと理解ができたという。警察にも直ちに通報し、男性は被害を免れた。

3月1日、架空料金請求詐欺の被害を未然に防いだとして、豊田警察署の野村喜之署長から關さんに感謝状が贈られました。
CBC
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「詐欺を未然に防止してくれて、感謝の気持ちでいっぱい」。
男性からのコメントが読み上げられると、關さんは「本当に良かった」とニッコリ。実は關さん、2023年12月にも、高齢男性が特殊詐欺被害に遭うのを防いだとして、感謝状を贈られていました。「3度目もありますか?」と聞くと、「騙されてしまう人が出ない方がいいので、こんなことはない方が嬉しい」、そう話しながらも、“もし同じことがあればまた止める”と力強く教えてくれました。
愛知県内での特殊詐欺被害は、2024年1月の1か月だけで88件、被害額はすでに総額1億3000万円を超えています。架空料金請求では、ギフトカードなど電子マネーを通じて金を支払わせるケースが9割を占めているということです。
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豊田警察署は「手口を知って、被害に遭わないようにしてほしい」としています。

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