廃園「海のこどもの国」跡地を活用へ 横芝光町、リゾート会社と提携 3万6千平方メートル公有地

横芝光町は1日、屋形海岸近くの「横芝海のこどもの国」跡地など一帯の土地活用に向けて、リゾート開発やマリンレジャー施設運営などを手がける「ユニマットプレシャス」(東京都港区)とパートナー提携に関する覚書を交わした。同跡地と周辺の土地3万6673平方メートルは更地となっており、町や千葉県と跡地活用を考案する「活用検討パートナー」を公募型プロポーザルで審査し、同社を優先交渉権者に選んでいた。
「横芝海のこどもの国」は1972年に開業し、2003年まで営業していた大型プール施設。閉園後は同施設の管理運営者だった県福祉ふれあい財団から県に土地などの財産が移された。今回、土地活用を検討するのは、同施設跡地の県有地(3万2358平方メートル)と、1991年まで同施設の隣に存在した国民保養センター跡地の町有地(4315平方メートル)。
海水浴客やサーファーが訪れる九十九里浜や、カヤックが楽しめる栗山川が近くにある「横芝海のこどもの国」跡地を観光振興や雇用促進などに生かそうと、町は2019年3月に策定した「町土地利用ビジョン」で同施設跡地の有効活用を「重点戦略」に挙げ、土地利用の方法を探っていた。
町は昨年12月から土地活用を共に検討する事業者を募り、同社のみが審査に応じた。同社が属する「ユニマットグループ」は沖縄県の宮古島にある「シギラセブンマイルズリゾート」や、ペットの犬と宿泊できるホテルやドッグランなどがある「小谷流の里ドギーズアイランド」(八街市)といったリゾート施設の開発や運営の実績があり、プレゼンテーションなどを経て町は同社を優先交渉権者に選んだ。
屋形海岸は機能強化が予定されている成田空港から近い海岸の一つ。町内や町周辺を通る首都圏中央連絡自動車道(圏央道)や銚子連絡道路の延伸も今後行われる予定で、町は交通インフラの整備に伴い新規居住者の増加を目指している。観光客だけでなく地元住民も楽しめる施設の開業が実現すれば、地域振興による移住者増加にもつなげたい考え。

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